ロジャー・ムーア主演作品
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「エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド」の記事における「ロジャー・ムーア主演作品」の解説
『007 ユア・アイズ・オンリー』 演:ジョン・ホリス(声:ロバート・リエッティ) 本作でのブロフェルドに似た人物の登場はアヴァンタイトル(タイトルが出る前の冒頭部)である。電動車椅子に座ってペルシャ猫を抱いた禿頭の男(顔ははっきりとは見えない)が、ボンドの乗ったヘリコプターを遠隔操作し墜落させようとする。しかし、ボンドは手動操縦に切り替えて男をヘリコプターのスキッド先端で車椅子ごとつまみ上げ、工場の煙突へ落下させる。 ここではブロフェルドに似た男の名は最後の出演者クレジットにも出てこないが、これは当時、制作会社であるイオン・プロの親会社であるダンジャックとケヴィン・マクローリーが『サンダーボール作戦』の映画化権とブロフェルドというキャラクターの著作権をめぐり法廷で争っていたためでもある。マクローリーはフレミングの旧友であり、ジャック・ウィッティンガムと三人で1950年代後半にジェームズ・ボンドシリーズの映画化・テレビ化を模索して多くの脚本を書いていた。この映画原案のひとつをフレミングが無断で小説『サンダーボール作戦』にしたため、マクローリーとウィッティンガムはフレミングを法廷に訴えた。1963年の暮れ、フレミングが2人に対する損害賠償支払いを行い、以後の小説では2人の名をクレジットするよう判決が出た。小説の権利はフレミングに残ったため、スペクターは1963年以後もフレミングと後継作家たちにより小説に登場している。 映画化権を取得したマクローリーはワーナー・ブラザースの下で映画化を企画していた。しかし、映画プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリおよびハリー・サルツマンがユナイテッド・アーティスツを通じてマクローリーと接触し、合作として『サンダーボール作戦』映画化の合意を行った。この際マクローリーは、この作品の公開から10年が経過するまでは、『サンダーボール作戦』に基づく作品を制作しない契約を交わしていた。しかし、その映画化以後もブロフェルドと組織「スペクター」が登場し続けたため彼らに対してもブロフェルドと「スペクター」の著作権を主張して裁判を起こした。この訴訟後、『ユア・アイズ・オンリー』冒頭でブロフェルドらしき謎の男を倒したことにより映画製作者はこのキャラクターに対する決別をほのめかしたといわれる。以後、007シリーズにブロフェルトが直接登場することはなかった。しかし、2006年にマクローリーが死去し、ダンジャック及びMGMが遺族と和解交渉を行い、その結果、2015年に公開した『スペクター』において34年ぶりに再登場を果たした。 ただし『ユア・アイズ・オンリー』におけるブロフェルドに似た人物の描写はスキンヘッド、立襟のグレースーツなどの外見のみの類似であり、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}本物のブロフェルドとしての登場ではなくマクローリーとの訴訟の副産物もしくはセルフパロディとして考えるべきで(本作品の時点で、マクローリーとの訴訟の決着はついていない)、本物のブロフェルドの登場・出演ではないと考えるのが妥当だろう[独自研究?]。
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