レース体系への対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:48 UTC 版)
「サンデーサイレンス」の記事における「レース体系への対応」の解説
サンデーサイレンスが優れた種牡馬成績を残すことができたのは、中央競馬のレース体系が変化したことによる時代の勢いに乗ったからだという見方もある。作家の藤野広一郎は「サンデーサイレンスの種牡馬としての素質には端倪すべからざるものがある」としつつ、中央競馬のレース編成に占める長距離戦の比重が軽くなったことで日本のサラブレッド生産が「圧倒的なマイラー志向に傾き、早熟で、手がかからなくて、仕上がりの早い、しかもスピード適性をもった産駒を送り出せる早熟型の種牡馬しか成功できなくなってきた中で時代傾向にのっかった」「早熟タイプの完成度の高い器用な軽量級種牡馬で、別にのけぞって驚嘆するほどの種牡馬でもなく、トップクラスの国際級種牡馬と表現するのをためらわせる」としている。安福良直は、サンデーサイレンスの初年度産駒がデビューした1994年と2005年を比較すると、中央競馬においてサンデーサイレンス産駒がもっとも得意とする芝1800メートル-2000メートルのレースの施行数が2歳馬の新馬戦、未勝利戦において2.5倍に増えていることを挙げ、「時代が、サンデーサイレンス産駒が勝つほうへ勝つほうへと変化」したと分析している。 サンデーサイレンスは6頭の東京優駿(日本ダービー)優勝馬を輩出したが(トウルヌソルと同数、7頭を輩出したディープインパクトに次いで歴代2位の記録)、橋田満はその理由について「優れた闘争心が長所の一つですが、日本のダービーはそれを爆発させるためにうってつけの舞台でもあるわけなんです」と述べている。橋田は「前半はゆっくり行って、直線でしまいの瞬発力を生かすのがサンデーサイレンス産駒が強い競馬をするパターンです」と述べたうえで、「そうした流れになりやすい2000mから2400mがよく、特に直線の長い東京コースが合う。ダービーに強いのはそのためです。今の日本の競馬の流れに、抜群にマッチした血統と言えます」としつつも、一方で「逆に1200mのような忙しい競馬には向かない。サンデーサイレンス産駒に名スプリンターが少ないのはそのためです」と述べている。
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