ラヴェル版とは? わかりやすく解説

ラヴェル版

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 04:59 UTC 版)

展覧会の絵」の記事における「ラヴェル版」の解説

1922年フランスラヴェルが、指揮者クーセヴィツキー依頼で『展覧会の絵』を管弦楽へと編曲した。この編曲版クーセヴィツキー率いオーケストラによって、同年10月19日初演)と10月26日パリオペラ座演奏され、これをきっかけ一挙にムソルグスキーの『展覧会の絵』は世界的に有名になった。 展覧会の絵 プロムナード スキッドモア大学管弦楽団による演奏 この音声映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声動画の再生ご覧くださいラヴェルがこの仕事引き受けた理由としては、報酬さることながら当時フランス音楽家サン=サーンスドビュッシーラヴェルなど)にムソルグスキー和音多用する様式評価されつつあったこと、ムソルグスキーピアノ曲管弦楽曲作るための習作のような作りであったことなどが挙げられている。 ラヴェル編曲に当たり、友人のカルヴォコレッシに譜面の手配を依頼したその手紙(1922年2月3日付)には「ムソルグスキー自筆譜(の入手)を期待している。何とかして入手する方法はないだろうか。または入手可能な人物知らないか」と記しており、ラヴェル当時出版されていたムソルグスキー楽譜には、リムスキー=コルサコフによる改変があることを知っており、自身ムソルグスキーオリジナルから編曲をする意図であったことが判っているが、カルヴォコレッシは自筆譜入手できなかったようで、最終的にはすでに出版されていたリムスキー=コルサコフ版に基づき1922年3月からまずキエフの大門」に着手して5月1日完成続けて残り初秋頃までかけて編曲行ったその際ラヴェル自作編曲にもみられるように、ダイナミクス問題による小節追加など一部補筆している。 その編曲は特に冒頭トランペットファンファーレ的な「プロムナード」に象徴されるように、ラヴェル異名である「オーケストラ魔術師」どおりの華麗色彩的なもので、原曲ロシア的な要素重視するよりもオーケストラ作品としての華やかな色彩与えることを企図し、そして成功している。ラヴェル編曲粗野な趣の『展覧会の絵』に新し生命与えることに成功したと言ってよい。 なお、楽譜1929年ロシア音楽出版から出版され、現在は同社業務引き継いだブージー・アンド・ホークスなどで刊行されている。 編成表木管金管打弦Fl. 3(2, 3番はFl.picc.持ち替えHr. 4 Timp. ● Vn.1 ● Ob. 3(3番C.I.持ち替え) Trp. 3 他 Ptti., Tamb., Gr.C., Tam-T., Glsp., Xylo., Trg., Crec., Fouet, Camp. Vn.2 ● Cl. 2, Cl.b.1 Trb. 3 Va. ● Fg. 2, Cfg.1 Tub. 1 Vc. ● 他 Sax.a.1 他 Cb. ● その他 Cel., Arpa 2

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