ヨーロッパでのV型8気筒エンジンの一般化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 01:08 UTC 版)
「V型8気筒」の記事における「ヨーロッパでのV型8気筒エンジンの一般化」の解説
1960年代以降、ロールス・ロイスやメルセデス・ベンツなど著名な高級車メーカーが、大型車用の大排気量エンジンにV型8気筒を用いるようになった。エンジンの高速化やシャーシへの搭載しやすさなどを考慮すると、従前主流であった大排気量直列6気筒よりもV型8気筒の方が有利であるためである。ロールス・ロイスはアメリカ車から、メルセデスはBMWから影響を受けてそれぞれにV型8気筒を開発しているが、この時期になるとV型8気筒エンジン自体がありふれたレイアウトとなり、ノウハウも蓄積されたことで、従前に比してその開発は事大視されなくなった。 その後、衝突安全対策の見地から、1980年代以降もヨーロッパや日本に残存していたフロントエンジン・リアドライブの直列6気筒車はBMWを除いて衰退し、代わってV6およびV型8気筒が広く搭載されるようになった。近年はコンピューターを用いた振動解析で、工作精度の改善やバランスウエイト配置の適切化が進展し、乗用車用としての実用上はV型12気筒等と比較しても遜色ない水準のV型8気筒エンジンが製造できるようになっている。世界的に見ても、4リットル前後のクラスの量産型高級車ではV型8気筒が主流のエンジンであり、構造が複雑なV型12気筒エンジンを用いる自動車は、一部メーカーの特殊な高級車や超高級スポーツカーの範疇に限られるようになっている。2000年代には6リットル以上の大排気量とツインターボを備えるV型8気筒エンジンが、1,000馬力以上の高出力を発生させる常套手段となった。
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