モハ3500形・モハ3550形
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「北陸鉄道サハ1000形電車」の記事における「モハ3500形・モハ3550形」の解説
モハ3501 モハ3551 1961年(昭和36年)7月にモハ3501が、翌1962年(昭和37年)6月にモハ3551が新製され、2両とも浅野川線に投入された。本グループはモハ3010形の設計をほぼ踏襲しているが、新製時より前後正面とも貫通構造とされた点が異なっている。2両ともほぼ同一の仕様とされた本グループであるが、運転席窓のワイパーの位置や屋根上ベンチレーターの配置など細部に相違点が見られる。また、モハ3501には車内放送装置が設置され、これは浅野川線所属車両では初採用の装備であった。 モハ3501の主要機器は新製され、モハ3300形と同一の機器を搭載しており、台車は日本車輌製造ND4Dを装備する。対してモハ3550形の主要機器はモハ850形の廃車発生品が流用されており、制御器は手動加速のHL-74、主電動機は三菱電機製MB-172NRであった。台車は従来車の発生品である釣り合い梁式の日本鉄道自動車工業NT-28を装備する。なお、当時浅野川線がポール集電方式を採用していたことから、パンタグラフ関連の設備は2両とも準備工事のみ施工され、1962年(昭和37年)にZ型パンタグラフを搭載し、さらに同年のうちに菱形パンタグラフに換装された。 モハ3501は1964年(昭和39年)にモハ3300形と同時に加南線に転属し、同線の全廃まで使用された後、1971年(昭和46年)に浅野川線に復帰している。モハ3551は終始浅野川線から転属することなく使用され、モハ3730形とともに線区間での転属の多い北鉄では異例の存在であった。 モハ3501は浅野川線復帰に際して、モハ3570形3571の廃車発生品を流用し、主制御器はHL-74、主電動機は三菱電機製MB-64C、台車は釣り合い梁式の近畿車輛KT-10にそれぞれ換装された。同時期にはモハ3551についても台車を含む主要機器をモハ5100形5103の主要機器換装に伴う発生品に換装され、機器換装後のモハ3501と同一仕様に揃えられたことから、以降両形式の実質的な差異はなくなった。その後、前照灯のシールドビーム化、運転席窓の安全ガラス化、側窓のユニットサッシ化等が施工されている。
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