ミツバチの貸し出しと移動養蜂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/18 09:26 UTC 版)
「蜂群崩壊症候群」の記事における「ミツバチの貸し出しと移動養蜂」の解説
「養蜂」を参照 CCDは、問題の発生した地域の商業養蜂家により報告されており、野生のコロニーや有機養蜂では発生していないとされ、農薬や遺伝子組み換え作物や自然界ではありえない養蜂の方法が原因という研究がある。一方、有機養蜂でも発生率は変わらないとする研究もある。 移動養蜂 ヨーロッパやアジアの養蜂家は移動養蜂をさせない。ハチの数も変動するし、ごく限られた範囲内でのみハチの交流があるに過ぎない(長い距離を移動する例もあるが、かなり稀である)。 しかしアメリカでは移動養蜂が多く、養蜂コロニーは移動することが多い。1908年に米国の養蜂家ネフィー・ミラーが冬の間、国内の別の場所に蜂の巣を移動させて以後、養蜂箱とともに移動しながらの養蜂が米国で広く広まった。ある米国の有名な養蜂家は、蜂の巣を1月にアイダホ州からカリフォルニア州に移動すると、3月にはワシントン州のリンゴ園に移り、その2か月後にはノースダコタ州に、そして11月には再びアイダホ州に戻ると報告しており、その移動距離は数千キロにもなる。他にも、蜂の巣をフロリダ州からハンプシャー州やテキサス州に移動する養蜂家らもいるが、いずれも1月にはアーモンドの受粉のためにカリフォルニア州に立ち寄る。米国におけるこのような広範囲の移動や他のミツバチとの交流が、近年のミツバチヘギイタダニによる大損失をもたらしている可能性があると指摘されている。 ハチの貸し出し 授粉のためのハチの貸し出しは、米国農業にとって必要不可欠な要素である。自然の受粉のみで現在のレベルの生産を行うことが非常に困難だからである。米国の養蜂家は、蜂蜜の生産収入より、授粉のためにミツバチを貸し出す収入の方がはるかに多い。 研究者が関心を寄せているのは、授粉のためにミツバチのコロニーを国中に運搬すると、他のミツバチと交流があり、それがコロニー間でウイルスやダニを広げることになっているのではないかということである。加えて、その様な連続しての移動と定住の繰り返しは蜂の巣全体に対して緊張と混乱を招き、おそらく、あらゆる種類の異常に対する抵抗力を減らすことになるのだと考える向きもある。
※この「ミツバチの貸し出しと移動養蜂」の解説は、「蜂群崩壊症候群」の解説の一部です。
「ミツバチの貸し出しと移動養蜂」を含む「蜂群崩壊症候群」の記事については、「蜂群崩壊症候群」の概要を参照ください。
- ミツバチの貸し出しと移動養蜂のページへのリンク