マレー式機関車
マレー式機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:52 UTC 版)
「日本の蒸気機関車史」の記事における「マレー式機関車」の解説
マレー式機関車の輸入は、輸送上の隙路になっている急勾配区間の応急対策のためであった。国府津~沼津間 (現在のJR御殿場線)の箱根越えは急勾配が連続しており、補助機関車の使用により辛うじて輸送力を確保していた。マレー形機は線路を強化しないままで、機関車の牽引力を増やして輸送改善と合理化を図ろうとするものであった。 訓練用として9020形、9750形、9800形、9850形が輸入された。これらは東海道線の箱根越えと、信越線長野〜直江津間 関西線加太越え区間などに投入され、箱根越えの貨物列車は重連にB6形の補機をつけて600tとして、平坦線区間の列車単位のまま直通でき、一定の改善成果をあげた。しかし動輪数が6軸の割に牽引力の強化が期待より低く、動輪2組の整備保守の負担も重く、動輪のフランジ摩耗が多い、13年に誕生した9600形の引力が上回るなどにより、マレー機の本格就役は10年余の短期間に終わった。マレー機の活用できる転用先を探すため、北海道で現地テストもされたが、9600形比べて有利な点がないとして、 転用が受け入れられなかった。
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