マフィアの関与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 15:01 UTC 版)
「フィデル・カストロ暗殺未遂事件」の記事における「マフィアの関与」の解説
2007年に機密解除されたCIAの文書によると、1件の暗殺未遂事件についてはケネディと関係の深いサルバトーレ・ジアンカーナをはじめジョン・ロッセーリやサント・トラフィカンテといった、高名なアメリカ人ギャングが関与。ピッグス湾事件発生前の出来事であった。 シカゴ・アウトフィットでアル・カポネの後継者を務めており、ケネディの大統領選挙の不正にも手を貸したジアンカーナや「マイアミ・シンジケート」の首領トラフィカンテ(当時両者とも連邦調査局の指名手配犯であった)は、フィデル・カストロ暗殺の可能性についてCIAと密に接触。「ラスベガス・シンジケート」に属していたロッセーリはマフィアの首領との接触に利用されることとなる。 CIAからの仲介者は、キューバで複数の国際ビジネスに当たっていたが、亡命を余儀無くされたというロバート・マヒューであった。マヒューは1960年9月14日、ニューヨーク市内のホテルでロッセーリに会い、カストロの「除去」を目論み15万ドルをロッセーリに提供。マヒューの仲間と言ってはいたものの、実際にはCIAの作戦支援部隊の隊長であったジェームズ・オコンネルが、密会の場に立ち会っていたという。 しかし機密解除された文書では、ロッセーリやジアンカーナ、トラフィカンテが計画のために提供された資金を受け入れたかどうかは、明らかにされていない。CIAのファイルによると、カストロの食料や飲料に毒物を混入するよう提案したのは、ジアンカーナであったという。CIA技術サービス部が製造したそのような毒物は、ジアンカーナから推薦を受けたフアン・オルタという人物に与えられている。なおジアンカーナは、オルタをカストロと接触していたキューバ政府の要人として推薦。伝えられるところによると、オルタはカストロの食料への毒物混入未遂事件を複数起こした後、計画からの離脱を突然要求、名前は不明だが他の参加者に引き継いだという。 その後、ジアンカーナやトラフィカンテはアンソニー・ベノナ博士を巻き込んで、第2の暗殺未遂事件を実行することとなる。ベノナはキューバ亡命軍事政権の首班を務めていたが、トラフィカンテによると「軍事政権という明らかにうだつの上がらない組織に不満を抱いていた」とされる。ベノナは費用として1万ドルと1000ドル相当の通信手段を要求。しかしながら、暗殺未遂はピッグス湾事件発生により延期されたため、どの位の期間行われたかどうか明らかではない。
※この「マフィアの関与」の解説は、「フィデル・カストロ暗殺未遂事件」の解説の一部です。
「マフィアの関与」を含む「フィデル・カストロ暗殺未遂事件」の記事については、「フィデル・カストロ暗殺未遂事件」の概要を参照ください。
- マフィアの関与のページへのリンク