ポテンシャル量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/01 04:04 UTC 版)
ポテンシャル量とは何らかの積分として与えられる量である。積分であるため空間上の点と強く結びついている。ここでいう空間とは幾何学的な空間だけでなく、時間を併せた時空や、位相空間や状態空間などのより抽象的な空間も含まれる。ポテンシャル量の大きさには積分定数に相当する任意性があり、適当に基準点を選び、基準点におけるポテンシャル量の大きさを定めることで、任意の点におけるポテンシャル量の大きさが定まる。基準の選び方に依存して変わるためポテンシャル量の絶対的な大きさには意味がない。その為、同種のポテンシャル量の間での比にも意味がない。また、基準点に依存するため、ポテンシャル量の和に意味がない場合もある。一方、ポテンシャル量の差は基準点への依存性が相殺されるため不定性なく定義が可能で、○○差や○○間隔と呼ばれる新たな量を定める。 ポテンシャル量の例としては、山の標高や飛行軌道の高度、重力ポテンシャル、静電ポテンシャル(電位)、温度などが挙げられる。例えば、標高や高度は一般的に海面を高さゼロの基準に定めて海抜で表される。また、局所的に存在する電荷による静電ポテンシャルであれば、場を生じさせる電荷から無限の遠方においてゼロとなるように選ばれる。摂氏温度は当初は氷点をゼロ基準としたが、現在では273.15Kの絶対温度をゼロ基準として定義されている。 そもそも空間の座標、例えば1次元空間での例として東海道線の駅の位置を東京駅からの線路に沿った距離で表した座標などは、ここでいう間隔尺度的な量であり長さの次元を持つ。座標間の差である位置間隔は長さそのものである。また時間軸に沿って言えば、時刻や日付は間隔尺度的な量であり、時間間隔は比例尺度的な量である。
※この「ポテンシャル量」の解説は、「量」の解説の一部です。
「ポテンシャル量」を含む「量」の記事については、「量」の概要を参照ください。
- ポテンシャル量のページへのリンク