ホルンフェルスの形成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 07:38 UTC 版)
「須佐ホルンフェルス」の記事における「ホルンフェルスの形成」の解説
高山斑れい岩が地殻上部の各層に貫入すると、周辺の岩石が接触熱変性を受けて再結晶化することが多く、熱変性岩が形成される。温度の上昇が主要因となるため、火成岩体に近接する高温域では、再結晶化がほぼ完全に行われ、等粒状の他形結晶が無秩序な方向に集まったモザイク組織 (グラノブラスチック(英語版))岩石を形成する。火成岩体からの距離が離れるに従って温度が低下し、接触変成岩の組織や再結晶化する鉱物の組合せも変化するため、変成鉱物の組成が異なるホルンフェルスが帯状に分布し、温度の違いによる変成過程を連続的に知ることができる点で学術的価値も高い。 阿武層群 - 花崗岩体に接する部分では角閃石 / 黒雲母 / 斜長石のホルンフェルス、また流紋岩質凝灰岩は紅柱石 / 黒雲母 / 白雲母のホルンフェルスを形成する。。 須佐層群 - 須佐層群は高山斑れい岩の貫入に伴う引きずり作用によって斑れい岩に沿って向斜構造が発達している。須佐層群の泥岩 / 頁岩 / 砂岩に認められる変成鉱物の組み合わせに基づいて、変成温度の低い方から高い方へ、黒雲母 / 菫青石帯 / 斜方輝石帯 に分帯され、硬化した頁岩、点紋ホルンフェルス、塊状ホルンフェルスを形成する。 山島火山岩 - 山島火山岩は高山斑れい岩による熱変性を最も強く受けている。高山岬の南西海岸の露頭部は菫青石帯の高温部に位置し、玄武岩質の基石に角閃石 / 黒雲母 / 斜長石結晶が生じ、グラノブラスチック組織を示している。また、高山南東山麓の露頭部は斜方輝石帯の最高温部に位置し、玄武岩質の基石に斜方輝石 / 単斜輝石 / 黒雲母 / 斜長石結晶の組合せでグラノブラスチック組織を示しており、強い熱変成をうけていることが分かる。
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