ペガサス6
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 04:02 UTC 版)
「ロールス・ロイス ペガサス」の記事における「ペガサス6」の解説
ペガサス5の発展型であるペガサス6(8,600 kgf)は初の制式モデルとなり、イギリス空軍ではペガサスMk.101と称される。HPタービン動翼第2段を空冷とし、推力偏向ノズルのベースを2枚方式としているほか、ファンをすべてチタン合金製とし、燃料器を水噴射に対応させた。これは燃料器内およびタービンの冷却空気に冷却水(脱イオン水)を噴射することで、ガス温度は高く保ったままでタービン部品の温度を下げることができ、推力増強が可能になるものである。 基本構造はペガサス5以前と同様で、転環式の推力偏向ノズル4個(ファン出口に2個、排気出口に2個)を備える、2軸式でミキシングのないターボファンエンジンである。これらの推力偏向ノズルは胴体側面に配置され、その向きを0度(後方)- 98.5度(真下よりやや前)まで変えることによって、垂直離着陸が可能となる。回転速度は毎秒100度に達し、450ノットで飛行中であっても推力偏向が可能である。一方、ホバリングや極低速時などではラダー、エルロンなどの通常の姿勢制御機構の働きが弱くなるため、機首下部・左右主翼の端部・機体後部にバルブ付の補助ノズルを取付け、エンジンから抽出した圧縮空気をそれらに送り込み、機体のピッチング・ローリング・ヨーイング運動を行うRCS(リアクション・コントロール・システム)により機体の姿勢制御ができるようになっている。 同機は1966年8月に初運転を行い、ハリアーGR.1の試作1号機に搭載されて飛行を行った。1968年3月に型式証明を取得し、1969年に装備化された。 搭載機 ハリアーGR.1
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