プールの臭気や人体への影響について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 14:04 UTC 版)
「クロラミン」の記事における「プールの臭気や人体への影響について」の解説
プールの塩素臭は消毒用の次亜塩素酸ナトリウムではなくクロラミンに起因する。また、入泳者の目・鼻・喉の痛み・肌への刺激の原因である。クロラミンは投下された次亜塩素酸ナトリウムと、入泳者の汗や尿に含まれるアンモニアが反応して生じる。消毒用の次亜塩素酸ナトリウムの濃度は水道水と同じなので人体への影響が皆無に等しい。誰かがこっそりと水中で排尿しないかぎり、塩素臭と刺激は発生しない。この一件は2018年6月29日放送のNHK系列の番組「チコちゃんに叱られる!」の『なんでプールに入ると赤目になるの?』→『プールの中で誰かがおしっこをしている疑惑』で取り上げられ、当時日本大学理工学部薬学教授だった立川眞理子によって解説がなされた。同番組では冷たい水に入ると毛細血管が狭まり放尿をしてしまうメカニズムと心理学面からの解説もなされ、成人の約19%がプールで排尿したという海外の匿名アンケートも紹介された。 2012年夏のアメリカのラジオ番組「On Air With Ryan Seacrest」に寄せられた「みんながプールの中でおしっこをしているのか」に対して、出演者のライアン・ロクテ選手は「もちろんだ、なんかしたくなるんだよね。」と答えた。彼は試合中ではないが、ウォーミングアップ中にしたことがあると強調した。水の怪物ことマイケル・フェルプス選手も2012年のウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し「プロの水泳選手たちは用を足したくなった際、わざわざプールから出てトイレに行ったりはしない。皆プールではおしっこをすると思うよ。水泳選手の間では普通のことだ。2時間も水の中にいて、おしっこをするために外に出たりはしない。したくなったときにするんだ。塩素で消毒されるから大丈夫だ」と発言、アメリカ国内外で物議を醸した。 博報堂が運営するニュースサイトしらべぇが1500人を対象に行った「プールでおしっこをしたことがあるか(2015年)」では、が約41.9%が「したことがある」と回答している。2018年7月12日放送の東京MX系列の情報番組「5時に夢中!」では作家の岩井志麻子と新潮社出版部部長の中瀬ゆかりが熱弁をふるった。岩井は「行儀悪い、さすがにプールはない」と否定したが「やっちゃうのは海か川。循環しているところなら、いずれ蒸発したり無くなる」と発言。中瀬は「温泉や銭湯は絶対ない。プールは幼いころあったかも」と幼少期を振り返ったが「ビタミン多めのモノを口にしていると(尿が)黄色くなってバレるのでリスキー」と発言した。ダイビングコミュニティサイトOcean+αが273人を対象に行った調査では7割以上のダイバーが放尿したことがあると回答した。 カナダのアルバータ大学で博士課程を学ぶリンジー・ブラックストックの研究グループによると、オリンピックサイズの1/3の大きさのプールには75ℓの尿が入っているとの結果が出た。確かに尿自体は消毒されるが発生したクロラミンによるプロの水泳選手やプールの職員の職業性喘息などの健康被害が指摘された。ブラックストックは「プールでのおしっこは、受動喫煙のようなもの。失礼だし、危険をはらんでいる」とし、「この問題は簡単に解決できます。みんながプールの中でおしっこしなければいい、それだけですから。」と語っている。 例えば汗にもアンモニアが含まれており尿とは限らなく、研究によりカルキ臭におけるトリクロラミンの寄与度は二割程度であることが明らかになっている。
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