プロジェクト10
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/04 00:44 UTC 版)
「反動推進研究グループ」の記事における「プロジェクト10」の解説
プロジェクト10エンジンはGIRD-Xロケットのために設計された。このGIRD-Xロケットの開発をプロジェクト10と呼んだ。1933年3月に初めて地上燃焼試験を行った。エンジンは、液体酸素とガソリンの燃焼により作動した。70kgfの推力を発生させた。このエンジンもまた再生冷却方式のエンジンであった。燃焼室は中空の三角錐の形状をしており、三角錐の底面に円筒状ノズルが接続されている。燃焼室とノズルの外皮は2重構造となっている。エンジンの冷却剤として酸化剤の液体酸素を使い、ノズル外皮から二重構造の壁の内部に液体酸素が流され次に燃焼室の壁に流され、エンジン全体を再生冷却した。地上燃焼試験中、エンジンの燃焼室の壁が熱で溶け落ちるという問題が発生し、燃料を発生熱の小さい78%濃度のアルコール水溶液に切り替えた。1933年3月28日に、ザンデルは病気で急逝した。第1集団のメンバーの一人のレオニード・コンスティノビッチ・コルネエフが新しい第1集団のリーダーとなった。1933年11月25日に、GIRD-Xロケットは初めて打ち上げられ、エンジンが不調となるまで高度約80mまで上昇した。これは、ソビエト連邦における真の最初の液体燃料ロケットの打上げとなった。何回かのミサイル打ち上げ試験の結果、最終的に、全長2.2m、直径140mm、重量30kg、ペイロード重量2kg、到達高度5.5kmの性能を発揮した。GIRD-Xのレプリカがキスロボーツクにあるザンデルの墓で見られる。
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