ファインマンのブラウン・ラチェットとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ファインマンのブラウン・ラチェットの意味・解説 

ファインマンのブラウン・ラチェット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 04:42 UTC 版)

ブラウン・ラチェット」の記事における「ファインマンのブラウン・ラチェット」の解説

ファインマン装置基本部分古くからあるただのラチェット機構である。このようなラチェット機構は、非対称な歯をもつ歯車ラック)をバネなどで抑え付けられた爪が支えており、一方向への回転のみを許し方向には回転できないよになっている一方、これとは別に軸の回り自由に回転できる水車のような極めて小さな羽根車用意し、ある一様な温度気体中に入れたとする羽根車には分子乱雑に衝突しブラウン運動として羽根車左右に揺り動かす。この運動自体には方向性はなく仕事をなすことができない。しかし、この羽根車の軸を上述のようなラチェット歯車の軸と組み合わせるなら、ラチェット一方向にしか回らないはずなので、これは一方向への回転運動生み出す考えられる回転軸小さなおもりを付けておけばこの歯車仕事をなすことになる。 一見するとこのブラウン・ラチェットは、温度差のないところで外部から仕事をするともなくブラウン運動から一方向運動取り出して仕事をなすことができ、エントロピー増大則熱力学第二法則)を破ることができるようにみえる。もちろん現実にはそれは不可能であるが、それがなぜかということ問題となる。 鍵となるのは、我々が日常スケールラチェット考えているとき、無意識に弾性的部品考えていることにある。しかしそれが意味するのは、爪と歯車衝突運動エネルギーバネその他の部品周囲気体熱エネルギー変化しているということである。したがって、これらの部品弾性的なものと考えてより精密に議論しなければならない。このときにはそのままでは歯車衝突した爪は衝突直前同じだけの運動エネルギーをもって弾かれ結局、爪は歯車支えることができない。爪の振動止めるためにはなんらかの形でそのエネルギー取り除く制動機構が必要である。 それがラチェット周囲気体であるとすると、気体温度羽根車周囲温度同じならばこれは不可能であり、ブラウン・ラチェット期待したように働かないことが明らかとなる。 なお、ラチェットに関する説明ファインマン教科書ファインマン物理学』(日本語版、II巻21章)に収録されている。

※この「ファインマンのブラウン・ラチェット」の解説は、「ブラウン・ラチェット」の解説の一部です。
「ファインマンのブラウン・ラチェット」を含む「ブラウン・ラチェット」の記事については、「ブラウン・ラチェット」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ファインマンのブラウン・ラチェット」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ファインマンのブラウン・ラチェット」の関連用語

ファインマンのブラウン・ラチェットのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ファインマンのブラウン・ラチェットのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのブラウン・ラチェット (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS