バリエーションと改良案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/29 06:17 UTC 版)
「イギリス国鉄5形蒸気機関車」の記事における「バリエーションと改良案」の解説
本形式での主なバリエーションは弁装置で、142両がワルシャート式を、残りの30両がカプロッティ式を採用した。これらの2つのグループ間で走行性能に差はほとんどなかったが、カプロッティ式を搭載した機関車は優れた高速走行性を発揮すると評判だった。カプロッティ式は導入コストが高いものの、車検間隔を長く取れることから相殺でき、この弁装置を装着する標準蒸気機関車がさらに増える可能性もあった。 ドンカスター工場では、本形式向けに複合式煙突を設計した。これは4形4-6-0の数台が採用した煙突と同じで、排煙が改善され機関効率が向上する性能を備えていた。ただし運行当初から高性能を示す本形式への採用は進まず、さらに1955年の近代化計画が複合式煙突に活躍の場を奪った。 それとは別に、9F形が西部地域で不評を買ったことから、本形式をベースに貨物用機関車を製造するという提案が出される。経営陣は9F形への批判対策で旧式の2-8-0機関車を投入、9F形は大規模貨物輸送には馬力が強すぎ、設計と運用のコスト高が著しいと判断する。英国運輸委員会はそれを受け、LMSの5形および同8形に合わせ、5形ベースの8F形(2-8-0)を設計した。5形の牽引力を増やすためボイラー圧力を250 psiに強化し、動輪は直径5 ft 0 in(1.524m)を採用した。量産開始の準備中に鉄道近代化が公表され、計画は頓挫する。
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