ネリス空軍基地のレッドフラッグ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/21 23:20 UTC 版)
「レッドフラッグ (演習)」の記事における「ネリス空軍基地のレッドフラッグ」の解説
かつてネリス空軍基地では年4回レッドフラッグが開催されていたが、現在は予算の都合などにより開催数が減っている。開催期間は2週間(4週間で2週間ずつ分けられることもある)だが、初日と最終日は部隊の到着と帰投に当てられ、さらに週末の休暇も挟むため、実質10日間となる。最初の3日間は慣熟飛行を兼ねた演習が実施されるが、以降は次第に難易度が上がっていき、最後の3日間は実戦での現実的な戦闘状況を再現したものになる。 運営は主にアメリカ空軍の第57航空団に所属する第414戦闘訓練隊によって行われ、他にもアメリカ空軍の航空戦闘軍団、航空機動軍団、在欧空軍、太平洋空軍、空軍州兵、空軍予備役軍団、またアメリカ陸軍、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊、カナダ空軍、その他参加国なども運営に加わり、現実的な訓練環境を提供するための戦闘準備や安全性を確保することになっている。運営には事前に計画会議が行われ、そこで演習計画や各国関係者の宿泊などについて話し合う。 演習では、主に戦闘機による電子戦、攻撃、防空、制空権の能力が試される。演習の中には、爆撃などの対地模擬攻撃での実弾の使用や、空中給油、空輸、偵察なども含まれ、近年では付近のクリーチ空軍基地(英語版)からUAVが発進し参加することもある。参加部隊はブルーフォース(青軍)という連合軍を形成し、敵役のアグレッサー機で構成されるレッドフォース(赤軍)との戦闘を行う。参加機はACMI(空中機動計測)ポッドの装備によって飛行状況が常にモニター・記録され、演習での最終的な戦果もこれを用いたコンピューター分析によって判定される。空中給油機や早期警戒管制機といった大型機の動きもIFFやGPSを通じてモニターされる。 演習はラスベガス北西の演習場地域で行われ、広さはスイス国土の約半分という非常に広大な地域である。その付近には飛行禁止空域となるネバダ核実験場やエリア51が存在し、ここに誤って侵入してしまうとすぐさま演習から追放される。また、演習場地域の東側と北側にはMOA(軍事作戦空域)が存在し、飛行高度などの制限こそ課せられるが空対空戦闘や空中給油であればここで行われることもある。
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