ドライカーボンとウェットカーボン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 22:18 UTC 版)
「炭素繊維強化プラスチック」の記事における「ドライカーボンとウェットカーボン」の解説
製造法の違いからドライカーボンとウェットカーボンの2種類に大別される。ドライカーボンは炭素繊維と母材(マトリクス)を、あらかじめ馴染ませた部材(プレプリグ(英語版)など)を型に貼り込んでいったものを真空バッグを使用して加熱しながら圧力差を利用し、エポキシを吸い出しながら圧着し硬化させる。積層プリプレグやプリプレグとハニカム材との密着性を確保するため高い性能を求める場合にはオートクレーブを使用する場合が多い。ハニカム材の圧着の必要がない場合などは、加熱と真空引きによる1気圧の圧力で施工してオートクレープによる加圧を使用しない場合も多い。 従来、車両や航空機の構造部品など大型で極限の性能が求められる用途の場合、生産工程の多くが手作業であり準備・施工にも時間がかかり、大型で高圧のオートクレーブや類する設備が必要なことからコストが非常に高くなることに加え、CFRPが炭素繊維の方向にしか強度を発生しないために設計が難しいことから、利用用途は限られていた。近年ではプリプレグ貼り込みがハンドレイアップよりも容易で精度を高くでき少量生産に向いていることや、小型の製品であれば大型の設備でなくても対応できることから低コストで生産できるため、スマートフォンケースやモバイルPCの外装など小サイズな製品が増加している。 脱オートクレーブ成形法やマイクロ波による加熱など、新たな製造法により成形コストは低減しつつある。 ウェットカーボンは、通常のFRPと同じくハンドレイアップ(英語版)・インフュージョン・RTMなどの工法で作られる。RTMやインフュージョン工法でのウェットカーボン製品は機械自動化による大量生産が可能で、自動車などに使われている.
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