ドイツ福音主義教会 (EKD) の神学的立場
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「ドイツ福音主義教会」の記事における「ドイツ福音主義教会 (EKD) の神学的立場」の解説
ドイツ福音教会 (EKD) において、自由主義的、保守主義的見解が表明されており、神学的傾向の多様性が存在している。加盟州教会ごとにルター派、改革派、合同派の神学的伝統があり、それぞれの教派の信条(信仰告白)が定められている。全加盟教会において共通する信条(信仰告白)は使徒信条とニケア信条である。 女性と同性愛者の牧師任職はドイツ福音主義教会 (EKD) 全加盟州教会において認められている。礼拝時における同性愛者夫婦への祝福は州教会において異なる(2016年4月現在)。ドイツ福音主義教会 (EKD)全加盟州教会の中で18の州教会において、現場の牧師と教会共同体指導部の理解を得た上で同性愛者への祝福が行われている。4か所の州教会では同性愛者の結婚式も可能である 。ドイツ福音主義教会 (EKD)事務局は各州教会に向けてライフ・パートナーシップ法による同性婚夫婦として生活している牧師とその同性パートナーの牧師館入居規定を示していない。そのため、牧師館に入居するためには教会法的には州教会からその都度許可を受けた上で、地域の教会共同体から賛成を得る必要がある。ドイツ福音主義教会(EKD) は2008年4月に発表した研究報告において創造論の観点で議論することを否定したが、学校授業における創造信仰の重要性を強調している。2013年春に編集された指針書「自律と他律の間で」において、ドイツ福音主義教会(EKD)は家族のあらゆる形態(同性婚夫婦、シングルマザー等)を認め、家族としてのつながりを強めることを求めた。 ドイツ福音主義教会(EKD)に加盟している多くの州教会において、同性愛の牧師が戸籍上のパートナーと公的に牧師館に住むことを許しており、いくつかの州教会(北ドイツ、ブレーメン、ラインラント)において、異性婚夫婦と同様に手当が支払われている。他の州教会(例えば、ヴュルテンベルク福音主義州教会)において、教会管理という面から一緒に牧師館に居住することを認めているが、異性婚夫婦と同じ手当は払われてはいない。加盟州教会の一つであるザクセン福音ルター派州教会において神学的保守派や敬虔主義者グループが強く、教会総会代議員の過半数を押さえている。ザクセン州教会総会は2001年に同性愛者牧師を牧師館に入居させず、宣教活動の中心にもしないという決議をしている。2012年、ザクセン州教会はドイツ福音教会に加盟している他の州教会とは異なり、同性愛者牧師の宣教活動を原則的に否定するという2001年の方針を継続する決定をした。この決定によってザクセン福音ルター派州教会において、同性愛者パートナーの牧師館入居は原則的に許可されず、地域の教会共同体による特別許可が出た場合のみ許されることになった。
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