ティンズリー・ミーキン・ハッチンソンの裁判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/17 23:25 UTC 版)
「キンティンスヒル鉄道事故」の記事における「ティンズリー・ミーキン・ハッチンソンの裁判」の解説
3人に対する裁判は、エディンバラの高等法院(英語版)で1915年9月24日に始まった。最高刑事裁判所長官のアレクサンダー・ユーア(英語版)(ストラスクライド卿)が裁判を主宰し、法務総裁のロバート・マンローが3人を起訴し、弁護はコンディー・サンデマンが担当した。ティンズリー、ミーキン、ハッチンソンの3人はいずれも、過失致死の容疑を否認し、義務に違反したことはないと主張した。裁判は1日半続き、起訴手続きが罪状を明らかにしたのち、サンデマンは裁判長に対して、ハッチンソンに責任がある罪状が無いと主張した。裁判長はこの主張を受け入れ、陪審員は裁判の結論としてハッチンソンに対して無罪を下すように指示された。サンデマンはミーキンとティンズリーに対しては証人を呼ばなかったが、陪審員たちに対して、2人の怠慢は犯罪に値するほどのものではなく、単にティンズリーが一時的に忘れていただけであると説得を試みた。 サンデマンの主張の後、ストラスクライド卿は陪審に対してまとめを行い、以下のように締めくくった。 この日の朝6時43分、キンティンスヒルの信号扱所にいた被告人たちは、北から来る兵員輸送列車の受け入れを依頼された。彼らは受け入れを承認した。これは、北に対して信号を出し、線路は開通しており兵員輸送列車が安全に走行できることを意味していた。信号が出たまさにその時、信号扱所の職員たちのすぐ目の前で普通列車が停車しており、兵員輸送列車が走ることになる線路を塞いでいた。信号扱所にいた1人は、数分前にこの列車が上り線に転線する際にまさにこの列車から降りてきたところだった。もう1人は、数分前にこの普通列車を下り本線から上り本線に移すように指示した。これが、あなた方が直面している驚かされるような事実だ。もしあなたが、この事実関係は2人が誠実かつ正直にその職務を果たしていたことと整合すると説明できるなら、彼らを無罪にしなさい。もし、整合すると説明できないなら、有罪にしなさい。 陪審は評決を検討するために12時40分に退室し、わずか8分後に戻ってきて、指示された通りにハッチンソンに対しては無罪評決を行った。しかしティンズリーとミーキンに対しては、起訴された件について有罪とした。2人の情状酌量の余地について聴取を行った後、ストラスクライド卿はティンズリーに対して懲役3年、ミーキンについて禁錮18か月を言い渡した。
※この「ティンズリー・ミーキン・ハッチンソンの裁判」の解説は、「キンティンスヒル鉄道事故」の解説の一部です。
「ティンズリー・ミーキン・ハッチンソンの裁判」を含む「キンティンスヒル鉄道事故」の記事については、「キンティンスヒル鉄道事故」の概要を参照ください。
- ティンズリー・ミーキン・ハッチンソンの裁判のページへのリンク