ティレル・011とは? わかりやすく解説

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ティレル・011

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/15 14:03 UTC 版)

ティレル・011
カテゴリー F1
コンストラクター ティレル・レーシング・オーガニゼーション
デザイナー モーリス・フィリップ
先代 ティレル・010
後継 ティレル・012
主要諸元
シャシー アルミモノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン、プルロッド、コイルスプリング
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング
トレッド (F)1,727 mm/(R)1,575 mm
ホイールベース 2,692 mm
エンジン フォード・コスワースDFV 2993cc V8 NA ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ヒューランド・FGA400 5速 MT
重量 589 kg
オイル バルボリン
タイヤ エイヴォン
グッドイヤー
主要成績
チーム ティレル・レーシング・オーガニゼーション
ドライバー 3. エディ・チーバー
3/4. ミケーレ・アルボレート
4. スリム・ボルグッド
4. ブライアン・ヘントン
4. ダニー・サリバン
出走時期 1981 - 1983
通算獲得ポイント 40
初戦 1981年ドイツGP
最終戦 1983年イタリアGP
出走 優勝 表彰台 ポール Fラップ
35 2 3 0 2
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ティレル・011(Tyrrell 011)は、ティレル1981年のF1世界選手権参戦用に開発したF1マシン。設計はモーリス・フィリップ英語版とブライアン・リスルズ。1981年シーズンから1983年シーズンにかけて使用された。ティレルチーム最後の優勝マシンである。

概要

ティレル・011は、当時としてはオーソドックスなアルミモノコックウイングカーである。フロントサスペンションプルロッド式を採用しているのが特徴だった。009がロータス・79、010がウィリアムズ・FW07など他チームのマシンをコピーした(ような)デザインだったのに対し、011は独自のデザインだった。

1981年

第9戦イギリスGPの予選に初投入され、この際はエースのエディ・チーバーのみに与えられたが、旧型の010に乗る新人ミケーレ・アルボレートに1.5秒も遅れたタイムしか記録できないままチーバーがクラッシュし、レースデビューは次のドイツGPとなる。そのドイツGPでチーバーが5位入賞。しかし信頼性が不足し、以降のレースではリタイアか、下位に沈むことになった[1]。この年はグッドイヤーの撤退騒動の影響で序盤をミシュラン、中盤からエイヴォンと復帰したグッドイヤーと異なる3メーカーのタイヤを使用したが、オーストリアGP以降チーバーがグッドイヤー、アルボレートがドイツGPからエイヴォンを使用した。

1982年

この年からリヤサスペンションもプルロッド式となる。また、フロアパネルはカーボン製となり、8kg軽量化された[1]。チームは資金不足だったが信頼性は改善され、成績は上向く。予選では下位に沈むことが多かったが、レースペースは速かった。エースに昇格したアルボレートは予選3位を獲得した最終戦ラスベガスGPで初優勝を遂げた。

1983年

レギュレーション変更によりフラットボトムとなり、ダウンフォースを得るためにフロントウイングが装着され、サイドポンツーンは空力的な役割が低くなったと判断されて小型化された。シーズン前にはノーズにラジエーターを配置する案をテストするが、ハンドリングが悪化し、採用されなかった[1]。改良型DFVエンジンであるDFYが投入されるもののターボ車に対抗するのは困難だったが、第7戦デトロイトGPではアルボレートが勝利した。この優勝がDFVエンジンとティレルの最後の勝利となった。第11戦オーストリアGP以降新型012が投入されると、011は第13戦イタリアGPを最後に退いた。

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション斜体ファステストラップ

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント 順位
1981年 ティレル・レーシングチーム コスワース・DFV
V8 NA
A

G

USW
BRA
ARG
SMR
BEL
MON
ESP
FRA
GBR
GER
AUT
NED
ITA
CAN
CPL
10* 10位
エディ・チーバー 5 DNQ Ret Ret 12 Ret
ミケーレ・アルボレート 9 Ret 11 13
1982年 ティレル・レーシングチーム コスワース・DFV
V8 NA
G RSA
BRA
USW
SMR
BEL
MON
DET
CAN
NED
GBR
FRA
GER
AUT
SUI
ITA
CPL
25 6位
ミケーレ・アルボレート 7 4 4 3 Ret 10 Ret Ret 7 Ret 6 4 Ret 7 5 1
ブライアン・ヘントン Ret Ret 8 9 NC Ret 8 10 7 Ret 11 Ret 8
スリム・ボルグッド 16 7 10
1983年 ベネトン チーム・ティレル コスワース・DFY
V8 NA
G BRA
USW
FRA
SMR
MON
BEL
DET
CAN
GBR
GER
AUT
NED
ITA
EUR
RSA
12* 7位
ミケーレ・アルボレート Ret 9 8 Ret Ret 14 1 8 13 Ret
ダニー・サリバン 11 8 Ret Ret 5 12 Ret DSQ 14 12 Ret Ret Ret

* 1981年の6ポイントはティレル・010による。
* 1983年の1ポイントはティレル・012による。

出典・脚注

  1. ^ a b c 三栄書房刊 名車列伝Vol.6

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