ATS・D6とは? わかりやすく解説

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ATS・D6

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/09 18:48 UTC 版)

ATS・D6
カテゴリー F1
コンストラクター ATS
デザイナー グスタフ・ブルナー
先代 ATS・D5
後継 ATS・D7
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバーモノコック
エンジン BMW M12/13, 1,499 cc (91.5 cu in), 直列4気筒, ターボ, ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ATS / ヒューランド 5速 MT
重量 540 kg (1,190 lb)
燃料 シェル
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム チームATS
ドライバー マンフレッド・ヴィンケルホック
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1983年ブラジルグランプリ
出走 優勝 ポール Fラップ
15 0 0 0
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ATS・D6は、ATSチームが1983年のF1世界選手権用に製作したフォーミュラ1カー。デザイナーはグスタフ・ブルナー

開発

ブルナーの手によるカーボンファイバーモノコックシャシーに、前年までのフォード-コスワース DFVに変えてBMW・M12/13エンジンを搭載した。シーズンを通して3台のシャシーが製作された[2]。D6はF1の歴史で初めてメス型成型のカーボン・コンポジット成型によって製作されており、モノコック表面がそのまま外皮となり、モノコックをカバーするカウルを必要としない構造となっていた[3]。カラーリングの黒の部分はカーボン地肌そのままにされており、これは新しい製造方法をアピールするためでもあった。この設計手法は以後、ブルナーが移籍するフェラーリをはじめ他チームが模倣し、F1界でのスタンダードとなる発明であった[4]

レース戦績

前年までの2台体制に変わって1983年はドイツ人ドライバーのマンフレッド・ヴィンケルホック1台体制で戦うこととなった。ヴィンケルホックは予選では好位置に付けるものの、チームは信頼性に欠ける車に苦しめられた。独善的で悪名高いオーナーのギュンター・シュミットは、チーム運営上の決定を数多く下したが、結果にインパクトを与えることは無かった[2]

ヴィンケルホックは予選で常にトップ10入りした。予選最上位は7位が3回で、サンマリノ、ベルギー、カナダであった。完走したのは4回のみで、ヨーロッパグランプリでの8位が最高であった[1]

F1における全成績

(key) (太字ポールポジション

チーム エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 ポイント 順位
1983年 チームATS BMW M12/13 G BRA
USW
FRA
SMR
MON
BEL
DET
CAN
GBR
GER
AUT
NED
ITA
EUR
RSA
0 NC
マンフレッド・ヴィンケルホック 16 Ret Ret 11 Ret Ret Ret 9 Ret DNQ Ret DSQ Ret 8 Ret

  1. ^ a b ATS D6 @ StatsF1
  2. ^ a b Nye, 1985, pp. 164-165
  3. ^ F1デザイナー グスタフ・ブルナー '88日本グランプリ公式プログラム 85頁 鈴鹿サーキットランド 1988年10月発行
  4. ^ F1デザイナー列伝 グスタフ・ブルナー F1グランプリ特集 68頁 1996年5月16日発行

参照

  • Nye, Doug (1985). Autocourse History of the Grand Prix Car 1966-1985. Richmond, Surrey, United Kingdom: Hazelton Publishing. ISBN 0905138376 

外部リンク




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