ツマ

デジタル大辞泉

つま【^▽夫／妻】

読み方：つま

《「端(つま)」の意》

１ 夫婦や恋人が、互いに相手を呼ぶ称。

「吾(あ)はもよ女(め)にしあれば汝(な)を置(き)て男(を)はなし汝を置て—はなし」〈記・上・歌謡〉

２ 動物のつがいで、互いの相手。

「下辺(しもへ)にはかはづ—呼ぶ」〈万・九二〇〉

３ 鹿と萩、秋風と萩など、関係の深い一組のものの一方をいう語。

「小牡鹿(さをしか)の—にすめる萩の露にも」〈源・匂宮〉

つま【妻】

読み方：つま

《「夫(つま)」と同語源》

１ 配偶者である女性。「—をめとる」「糟糠(そうこう)の—」⇔夫。

２

㋐刺身や吸い物のあしらいに用いる野菜や海藻。つまもの。「刺身の—」

㋑主となるものに添えるもの。「話の—にされる」

[補説] 書名別項。→妻

つま【妻】

読み方：つま

北原武夫の小説。昭和13年（1938）発表。同棲中に死んだ妻をめぐる新心理主義風の作品。

つま【爪】

読み方：つま

つめのこと。多く名詞や動詞の上に付けて用いる。「—先」「—弾く」

「—覚えて調べられたる御琴どもかな」〈宇津保・俊蔭〉

つま【^▽端／妻】

読み方：つま

１ 物のはしの部分。へり。

２

㋐建物の長手方向の端部で、棟と直角をなす壁面。妻壁。⇔平(ひら)。

㋑切妻(きりづま)や入母屋(いりもや)の屋根の側面の三角形の壁面。

３ 物事のいとぐち。てがかり。端緒。

「なかなか物思ひの—なるべきを」〈源・須磨〉

つま【^×褄】

読み方：つま

《着物の「端(つま)」の意》

１ 長着の裾(すそ)の左右両端の部分。また、竪褄(たてづま)（襟下）のこと。

２ 長着の袷(あわせ)や綿入れの褄先にできる丸みの部分。

[補説] 「褄」は国字。