ターリバーンの再掌握
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 01:01 UTC 版)
「アフガニスタン」の記事における「ターリバーンの再掌握」の解説
詳細は「2021年ターリバーン攻勢」を参照 アメリカ合衆国がアフガニスタンからの撤退を進める中、ターリバーンは主要都市を次々に制圧していた。 2021年8月15日には首都カーブルに迫り、全土を支配下に置いたと宣言した。約20年間続いた民主政権側もアブドゥル・サタール・ミルザクワル内務相代行が平和裏に権力の移行を進めると表明した。同日、アシュラフ・ガニー大統領がタジキスタンに向けて出国したと報じられたが、タジキスタンは「ガニ氏を乗せた飛行機はタジキスタン領空に入っておらず、領土内に着陸もしていない」とし、ガニーの入国を否定した。 8月17日にターリバーンはアフガニスタン政府に「平和的降伏」を求め、政権移譲に向けた交渉を始めており、ビデオ声明を通じて勝利宣言した。また同日、対タリバン戦を呼び掛けていたヘラートの軍閥の指導者イスマーイール・ハーンが一時的に拘束された。一方で、第一副大統領(英語版)のアムルッラー・サーレハ(英語版)が憲法上の規定により、暫定大統領に就任すると発表した。サーレハはターリバーンの勢力が及ばないパンジシール州に滞在しているとされ、同州のパンジシール渓谷を拠点としていたマスード将軍の息子アフマド・マスードと共に抵抗運動を呼び掛けていると報道があったが、9月7日、ターリバーンは反勢力の最後の拠点を制圧したと宣言した。なお反ターリバーン組織は「まだ戦いは続いている」との声明を発表している。(民族レジスタンス戦線を参照) アフガニスタン中央銀行の保有資産の多くは欧米の銀行で資産凍結されており、8月時点の現金残高は「ほぼゼロ」の状態で、国家予算の8割が米国など海外からの支援であった。こうしたターリバーンへの対処は金融制裁と同様の効果があるとされ、極端なイスラム治政を敷くタリバンに対し、国際社会との親和を促すとされる。トランプ政権で高官だった研究員は、米国は友好国と協調しながら資産凍結しなければならないとし、加えて、打撃を受けている同国の一般市民に対しては継続した人道支援が必要とした。8月31日、アメリカ軍はアフガニスタンから完全に撤退した。
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