ソロモン自身の機関化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 03:55 UTC 版)
「ソロモン・ブラザーズ」の記事における「ソロモン自身の機関化」の解説
1980年代には、著名なトレーダーであるジョン・メリウェザーら率いる債券アービトラージ部門が莫大な利益をあげるなど右肩上がりの成長をつづけた。1981年フィブロ(Phibro Corporation)というエネルギーコンツェルンの傘下に入り、フィブロ・ソロモンに改称するとともにパートナーシップから株式会社に組織変更した。 1986年に経営陣が実権を握りソロモン・インクに改称した。ブラックマンデーの前後から次第に業績は下降に転じたが、それでもコンレール17億ドルの株式上場に参加した。1987年9月末、マクアンドリューズ&フォーブスのロナルド・パールマン(Ronald Owen Perelman)がソロモン・ブラザーズを買収しようとしたが、ソロモン・ブラザーズは拒否した。そこでウォーレン・バフェットがソロモンの優先株7億ドルを購入した。資本金の12%に相当し、発行の3年後から普通株に転換可能となるものであった。1991年に元トレーダーのポール・モーザー(Paul Mozer)が米国債の不正入札に手を染めたことが発覚、ソロモン・ブラザーズは信用を失って、市場を一般機関投資家に明け渡した。その際、ウォーレン・バフェットCEOに経営再建をゆだねることになった。 1990年代、ソロモンやメリルリンチは格付機関とのアレンジメントの下で、仕組み商品向け与信会社を相次いで設立した。 1997年11月、バフェットの仲介でアメリカのトラベラーズ・グループ(Travelers Group)に買収され、トラベラーズ傘下の投資銀行であるスミス・バーニー(Smith Barney)と合併してソロモン・スミス・バーニー(Salomon Smith Barney)となった。さらに、その翌年トラベラーズ・グループがシティコープと合併してシティグループとなり、ソロモンもシティの傘下となった。 シティの投資銀行部門は2000年シュローダーの投資銀行部門を13億ポンドで買収した。2008年には年金サービス業のシティ・ストリートをINGグループに5.78億ユーロで売却した。シティは残った投資銀行部門をリテールとホールに分けて、前者(シティグループ・グローバル・マーケッツ)には「Citi Smith Barney」のブランドを使用した。 最終的に2012年にスミス・バーニーをモルガン・スタンレーに売却しており、「ソロモン・ブラザーズ」のブランドは事実上休止状態にある。海外債券の重要指標である「ソロモン・ブラザーズ世界国債インデックス(Salomon Brothers World Government Bond Index)」(1985年算出開始)も2003年4月に名称を「シティグループ世界国債インデックス(Citigroup World Government Bond Index)」に変更し、権利をシティグループ・グローバル・マーケッツに委譲している。
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