セントラルキャスティング方式による番組配信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 06:29 UTC 版)
「あいテレビ」の記事における「セントラルキャスティング方式による番組配信」の解説
あいテレビでは、2006年6月から2013年9月まで「セントラルキャスティング方式」による番組配信を行っていた。 セントラルキャスティング方式とは、例えば日本を各ブロックごと(東北、中・四国、九州など)に分け、その地域ブロック内で親局を決め、系列局間のネット番組やCMの送り出しを親局で一括管理するという方式。キー局であるTBSがこの方式をJNN各局に呼びかけたところ、広島の中国放送(RCC)とあいテレビがこれに応じ、実現したものである。 この2社の場合、RCCを親局と位置づけた上で、これまで自社に設置していた番組配信マスターやCMバンクをRCC社内に新たに共同で設置し運営していこうというものである。 具体的には、キー局などからのネット番組は必ずRCCを経由して松山へ、またあいテレビからの番組素材やCMは、いったんRCCに送りマスターに編成された後、再び松山に戻してから愛媛県内の放送電波に乗せる。マスター管理業務が省略される分コストが削減され、自社番組制作や編成に注力できるといった利点がある。 地上デジタル放送開始に向け、県内他社をはじめ全国のほとんどの地上波テレビ局は自社によるデジタル化更新を進めたため、この方式は全国初かつ、あいテレビとRCCによる「全国唯一」の方式であった。 この時、TBSは山陽放送(RSK)・山陰放送(BSS)・テレビ山口(tys)・テレビ高知(KUTV)もRCCとのセントラルキャスティング対象に考えていたが、 RSK - 香川県も放送エリアにしている BSS - 系列局がないテレビ朝日および同系列局からの遅れネット番組が多いうえに、当時は同時ネット枠(スーパーモーニング)もあった tys - かつてFNSに加盟していた関係でフジテレビ系の生放送番組の裏録り(森田一義アワー 笑っていいとも!)を含む遅れネットが相当数あり、加えてジャパンコンソーシアムが関係する番組ではフジテレビとの臨時同時ネットを行うことがある上、RKB毎日放送を軸とする九州ブロック(e-JNN)との結びつきも強かった KUTV - 距離的な問題(太平洋側に面している) などの事情があり、自社での技術維持・緊急時の対応も考慮して難色を示したことから参加しなかった。この時、tysはネット保証金を減額されたという。 このシステムはNTTコミュニケーションズの専用線サービス『ギガストリーム』を使用していた。 ところが、この運用を開始して程なく、NTTがデジタル回線の回線使用料を固定化したことにより、コスト削減のメリットがなくなってしまい、他県の系列局にマスターが存在するというデメリットのみが残ってしまった。こうした流れを踏まえ、あいテレビ側がこのデメリットを解消することなどを理由として、本社内にデジタルマスターを設置、2013年9月30日に稼働させた。 こうして、全国初であり、なおかつ全国唯一であったこの「セントラルキャスティング方式」は、7年3か月で終了した。
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