セミメタルガスケット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/22 00:28 UTC 版)
うず巻形ガスケット(Spiral-wound gaskets) V字形をした金属薄板と軟質のフィラー材を交互に重ねうず巻状に巻きつけたガスケット。石油学会規格ではこのガスケットを推奨している。軟質ガスケットに比べ高温・高圧のシールが可能だが、高い締付面圧が必要になる。また、その構造から目の粗いセレーション加工等、接触面に凹凸があるフランジ等での使用が困難である。フィラー材は主にノンアスベストフィラー、膨張黒鉛フィラー、PTFEフィラー、高温用複合フィラーの4種類があり、流体、温度、圧力に合わせて選定を行う。通常450℃までの流体には、膨張黒鉛フィラーが主に使用される。 うず巻形ガスケットの耐熱・耐圧フィラー材質使用温度範囲耐圧ノンアスベストフィラー〜 350℃ 25.9MPaまで 膨張黒鉛フィラー-240 〜 450℃ 43.1MPaまで PTFEフィラー〜 300℃ 10.3MPaまで 高温複合フィラー〜 800℃ 25.9MPaまで メタルジャケットガスケット 無機質の中芯クッション材を金属薄板で被覆したガスケット。被覆金属には銅やステンレスの薄板が用いられることが多い。表面が金属であるため浸透漏れがなく耐熱性が高い。軟質ガスケットに比べて高い締付面圧を要する。被覆金属に銅を用いた物は馴染み性が高く、フランジの接触面の状態に影響されにくい。ディーゼルエンジン、熱交換器、熱風配管などに使用されている。 メタルジャケットガスケットの耐熱・耐圧材質使用温度範囲耐圧汎用グレード〜 530℃ 6.0MPaまで 高温グレード1300℃ (金属材質の耐熱温度による) 6.0MPaまで 銅+無機材料〜 600℃ 40MPaまで Niスーパーアロイ+無機材料〜 1100℃ 40MPaまで カンプロファイルガスケット(Kammprofile gaskets) 特殊なのこ歯形状の溝を円周上に両面に彫った金属リングの両面に、軟質の表層材を貼り合わせたガスケット。まだ日本国内における使用実績は少ない。うず巻形ガスケットと比べ、ハンドリング時バラケの心配が無い、内外輪の必用性がなくコンパクトに設計できるといったメリットがある。金属リングの劣化が無ければ、表層材を貼り替えることにより再利用が可能。主に機器のガスケットとして使用される。カンプロファイルの名称はドイツ語の Kammprofil カムプロフィール(直訳すると「くし歯形状」)に由来する。 カンプロファイルガスケットの耐熱・耐圧表層材質使用温度範囲耐圧膨張黒鉛〜 400℃ 44.0MPaまで PTFE〜 260℃ 11.0MPaまで
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