スペチアーレ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:09 UTC 版)
フェラーリはかねてからFIAのホモロゲーション取得を目的に、一から設計された限定生産台数モデルを生産、販売してきたが、1984年にグループB参戦のためのホモロゲーション取得を目的として、「308シリーズ」を元にほぼ一から設計された「288GTO」を開発し、限られた台数を生産し販売した。その後1987年に創業40周年を記念したモデルとして「F40」が限定生産、販売されたが、翌年のエンツォの死去と世界的な好景気を背景に人気を博したことから、初期に設定していた限定生産数を大幅に超える1,300台を超える台数を生産した。 以降フェラーリはこのような「スペチアーレ」と呼ばれることになる、一から設計された限定生産モデルを節目の年に出すことになり、創業50周年の1997年には「F50」を、創業55周年の2002年には「エンツォ」を、2013年には「ラ フェラーリ」と、それぞれ数年の間をおいて限定生産モデルを発表している。 これらの車種は、限定生産モデルと同様に、「F40」のオーナーとして著名であった世界的テノール歌手のルチアーノ・パヴァロッティ や、フェラーリマニアとして知られる「ピンクフロイド」のニック・メイスンや「ジャミロクワイ」のジェイ・ケイ などの、過去に「スペチアーレ」を正規ディーラーを通じて新車で購入したオーナー(並行輸入や中古での購入者は対象外)やワンオフモデルのオーナー、F1クリエンティやXXプログラムのオーナー、フェラーリ・チャレンジに年間参戦したオーナーをはじめとする、フェラーリ本社と各国の現地法人が特に選択した顧客に対して、1号車の完成より前の段階で案内される。 場合によっては、案内時にスペックやデザイン、価格などの仕様詳細が決定していない上に、限定生産モデルよりも高価にも関わらず、多くの場合、これらの顧客への案内と同時にほぼ完売し、一般の顧客に新車の状態で販売されることはない。 これらの「スペチアーレ」には、その後の生産モデルに採用される新機軸やテクノロジー、デザインモチーフが先取りして用いられることも多く、フェラーリの最新テクノロジーのショーケースとなるのみならず、上記のように世界でも数百人しかいない優良顧客の囲い込みと、それに憧れる数万人の優良顧客候補育成のツールとなっている。なお日本市場では、「ラ フェラーリ」はフェラーリ・ジャパン(その前の「エンツォ」時代は正規輸入代理・販売店であったコーンズ)が優良顧客の選択と絞り込みを行っていた。
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