スノーフレーク型(雪のかけら)とヘアー型(髪の毛)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/24 09:25 UTC 版)
「パーティクル・システム」の記事における「スノーフレーク型(雪のかけら)とヘアー型(髪の毛)」の解説
スノーフレーク型パーティクルの例。立方体から5000個の動的パーティクルが放出されており、それぞれ「重力」の重み付けに従ってY軸マイナス方向へと落下しているように見える。 ヘアー型パーティクルの例。左と同じ立方体のエミッターが、糸(ストランド)状の静的パーティクルとしてレンダリングされている。 パーティクル・システムには「動的パーティクル」と「静的パーティクル」がある。これは要するに、各パーティクルの「生涯(ライフサイクル、life cycle)」を、時間の経過に応じて分散的に表示するか、一度に表示するかと言う違いである。両者は「スノーフレーク型」と「ヘアー型」として区別される。すなわち動的パーティクルは、空間内の個別の座標を動き回る雪のかけら(スノーフレーク)によく似た見た目を示し、静的パーティクルは、個別の曲線によって構成される髪の毛(ヘアー)によく似た見た目を示す。 パーティクル・システムは、映像制作において火花、雨、火などと言ったパーティクルシミュレーションを作成するためによく使われているので、「パーティクル・システム」という用語に関して「アニメーション」という側面のみを想起しがちである。パーティクルでアニメをする場合の実装では、動画の各フレームにおいては、パーティクルがその生涯の中で特定の座標に位置する瞬間のみが表示され、そのとき各パーティクルは空間内の単一の座標のみを占有する。火や煙など雲散霧消型のエフェクトをかける場合、各パーティクルにはフェードアウト時間または固定時間の寿命が設定され、一方で吹雪や雨などのエフェクトでは、視点から見える範囲の特定の場所を通過するとパーティクルの寿命が終了する。 しかし、各パーティクルの全生涯を一度にレンダリングすると、それは「静的」パーティクルになる。すなわち、パーティクルが点状の粒子ではなく、パーティクルの全生涯における軌道を示した、マテリアルの撚糸(ストランド)として表示される。このようなストランド状の表現は、毛髪、毛皮、草地、などと言ったマテリアルをシミュレートするために利用できる。このストランドは、動的パーティクルが従うのと同じ速度ベクトル、力場、出現頻度、撓みのパラメータで制御できる。加えて、ストランドをレンダリングする時の太さを制御することも可能であり、実装によっては糸の長さに応じて太さを変化させることもできる。パラメータをいろいろと組み合わせることで、硬さ、柔らかさ、重さ、剛毛さ、その他様々な性質を表現できる。エミッタの表面に貼り付けたテクスチャを使って、ストランドの色、長さ、その他のプロパティを変更することもできる。
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