ジョーンズタウンでの大量殺人
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/01 02:45 UTC 版)
「ジム・ジョーンズ」の記事における「ジョーンズタウンでの大量殺人」の解説
同日の夕方、909人のジョーンズタウン住人(内、未成年者304名)が、シアン化物中毒で死亡した。死者の殆どが、ジョーンズタウンの本講堂の周辺で死んでいた。この死者は、1件の事件で亡くなったアメリカ合衆国死者数としては、2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生するまでは史上最大であった 。後にFBIが、自殺が次々と行われていく様子を録音した約45分のオーディオ・テープを発見している。 このテープの中で、ジョーンズは人民寺院の信者に対して、ソビエト連邦は空港での殺人の後、人民寺院信者達を受け入れることは無いと語っている。ジョーンズは、集団自殺の理由として、彼がかつて述べていた人民寺院に対する情報機関による陰謀を挙げている。ジョーンズは、襲撃者が「パラシュートでここへやって来る」、「我々の無垢な赤子たちを襲撃する」そして、「奴らは我々の子供達を拷問し、我々の仲間を拷問し、我々の親達をも拷問するだろう」と述べている。敵軍が子供たちを鹵獲し、ファシズムに染め上げるだろうというジョーンズの過去の発言そのままに、ある人民寺院信者は「奴らに攫われた子供たちは、大きくなっても彼らの言いなりになる」と述べている。 これらの理由のため、ジョーンズと人民寺院の数人の信者達が、シアン化物を混ぜたブドウ味のフレーバー・エイド(英語版)による「革命的自殺」(英語: Revolutionaly Suicide)を主張した。後に公開された人民寺院の映像では、ジョーンズはクール=エイドでいっぱいになった貯蔵庫を開け放つ様子が映されていた。しかしながら、集団自殺の場所にはブドウ味のフレーバー・エイドの空容器が残されており、鎮静薬と共に毒物製造に使用されたことが判明している。信者の一人であるクリスティン・ミラーは、テープの序盤で「革命的自殺」に異議を唱えている。 人民寺院信者達が泣きだすと、ジョーンズは「ヒステリーを止めるのです。これは社会主義者や共産主義者が死に臨むやり方ではありません。我々が死に臨むやり方ではありません。我々は威厳をもって死ななければならないのです」と諫めている。テープの中で聞き取れるものとして、ジョーンズは「死を恐れてはいけません」、そして死は「別の段階へ向かうためのステップでしかないのです」そして、それは「友」だと言っていたのである。そしてテープの最後、ジョーンズは次の様に締めている。「我々は自殺するのではありません。我々は、この非人道的な世界の状況に対抗するために革命的自殺という行動を行うのです」と。 逃亡した人民寺院信者達によると、子供たちは最初に毒物を与えられ、家族は共に死んでいったという。集団自殺は、定期的に行われた予行「白い夜」(英語: White Nights)でかつて議論されたものであった。かつて行われた白い夜では、ジョーンズが毒と偽った飲み物を人民寺院信者に飲ませるということもあった。
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