ジュール (Joule, James Prescott)
ジュールという人は
ジェームズ・プレスコット・
ジュール
イギリス・マンチェスター近くのソールフォードで豊かな酒造家の次男としてクリスマス・イヴに生まれ、 その生涯の多くを温度と熱量の研究に捧げる。 研究をしつつも生涯酒造家であり続け、教授職等に就こうとはしなかった。 そのため彼の論文は軽んじられることがあり、マンチェスター新聞で音楽批評を担当していた兄の助力で、新聞に論文を掲載してもらうなどの苦労をしたようだ。
ジュールの主な経歴
1840年、ジュールの法則を発見する。 10代でモーターに発生する熱量を測定し、この年、電流による発熱量の測定をする。 導線に発生する熱が、その導線を通る電流の2乗に比例することを突き止めたのである。 これは電気‐熱のエネルギー変換に他ならず、マイヤーのエネルギー保存の法則は1842年に発表されるので、その2年前のことになる。 この時点ではまだエネルギーという概念は整理されていなかったが、この発見をきっかけに発熱や発光の研究は加速していく。
1847年、熱の仕事当量を発表する。オックスフォードで開かれた大英学術協会に熱の仕事当量に関する論文を発表する。 発表直後にW・トムソンから声をかけられ、 夜の懇談会で二人は熱力学について議論を交わし、40年にわたる親交と友情はここからはじまった。
1852年、ジュール‐トムソン効果を発表する。 気体を膨張させると分子間に働く引力に逆らい、膨張によって分子相互を引き離すためにはエネルギーが消費される。 このときエネルギーがほかから供給されない場合は膨張に必要なエネルギーは気体自身から捻出しなければならず、結果として気体の温度が降下する。
ジェームズ・プレスコット・ジュール
1850年にはロンドン王立協会会員に選ばれ、1866年、コプリ・メダルを授かる。 1872年、1887年に大英国科学振興協会の会長を務める。
ひかえめな人物で、死の2年前には兄にこう言ったそうである。 「僕はちょっとしたことを2つ3つやったけど、どれも騒がれるようなことじゃないよ」
ウェストミンスター寺院にはジュールの記念碑が残されている。
エネルギー・仕事・熱量の単位・ジュール
現在ジュールの名は、エネルギー・仕事・熱量の単位ジュール[J]として、SI組立単位に残っている。
ジュールと同じ種類の言葉
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