ジュヴナイル・ライトノベルとメディアミックス
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「推理小説」の記事における「ジュヴナイル・ライトノベルとメディアミックス」の解説
南洋一郎はモーリス・ルブランの原作を、少年少女向けに改筆した「怪盗ルパン全集」全30巻 の訳者として知られる。第13巻『ピラミッドの秘密』のように、一部にルブラン作品を取り入れてはいるが、ほぼパスティーシュと認定されている作品もある。 70年代後半に各出版社がジュニア向け文庫を立ち上げると、山浦弘靖の「殺人切符はハート色」などトランプ絡みの題名が続く「星子ひとり旅シリーズ」は、コバルト文庫の看板シリーズとなった。 また、「仮題・中学殺人事件」にはじまる辻真先の、「読者」「作者」「編集者」など本来は犯人たりえない人物 を扱うシリーズをラインナップに揃えたソノラマ文庫など、ジュヴナイルのミステリが多く刊行された。 学研や旺文社などの学年誌や受験誌に多く連載した小峰元は、ギリシャ哲学者を冠した「アルキメデスは手を汚さない」から始まる「青春ミステリー」で知られる。ラジオの深夜放送や大学受験など、当時の10代から20歳前後の若者の生活や悩みを作中に織り込んだ作風が特徴。最初期の短編集「幽霊列車」では本格要素がかなり強かった赤川次郎だが、角川映画との連携や「三毛猫ホームズ」シリーズのテレビドラマ化で人気が出たことから、若者向けのユーモア・ミステリ路線にシフトした。 『湯殿山麓呪い村』 の山村正夫は、古今東西のミステリをダイジェストにして、年少者やミステリ入門者向けに、クイズ形式とした『トリック・ゲーム』などを著した。また、各種会場での小説教室の指導者として、多数の人材を輩出している。 1992年には「金田一少年の事件簿」、1996年には「名探偵コナン」が好評を博し、推理漫画が一つのジャンルとして定着した。2002年に「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」でデビューした西尾維新は、文芸ものの新書「講談社ノベルス」から発行されているが、ライトノベルとして分類され、また自身もそのようにとらえる場合もある。「掟上今日子の備忘録」や「美少年探偵団 きみだけに光かがやく暗黒星」など多くの作品が漫画化・テレビドラマ化されている。西尾維新に限らず青春ミステリにおいてはライトノベルとの境界が非常に曖昧で、「赤朽葉家の伝説」で日本推理作家協会賞を受賞した桜庭一樹は元々ライトノベル作家であった。
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