シラン属
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/07 22:07 UTC 版)
ウィキスピーシーズにシラン属に関する情報があります。 ウィキメディア・コモンズには、シラン属に関連するカテゴリがあります。 ※この節の出典は『中国植物志 第18卷』による。 Bletilla formosana (Hayata) Schltr. シノニム:B. yunnanensis、B. szetchuanica 中国名:小白笈、台湾白笈 和名(園芸商品名):雲南小白笈(ウンナンショウビャクキュウ)、白花小白笈(シロバナショウビャクキュウ)、アマナラン 中国大陸〜台湾に分布。文献上は八重山諸島に分布記録があるが、近年は自生が確認されておらず絶滅あるいは記録間違いの可能性がある。 草姿はシランに類似するが、やや小型。側花弁・愕片は白色から淡桃色。唇弁は中央が黄色く、赤褐色の斑紋がある。シランと比較すると、やや耐寒性の劣る個体が多い。 Bletilla ochracea Schltr. 中国名:黄花白笈 和名(園芸商品名):黄花小白笈(キバナショウビャクキュウ) 中国大陸に分布。 側花弁・愕片は淡黄色。唇弁は中央が黄色く、赤褐色の斑紋がある。 Bletilla sinensis (Rolfe) Schltr. 中国名:华白及 和名:(なし) 中国雲南省からタイ、ミャンマーの山地に分布する小型種。 耐暑性に欠けるため、日本国内での栽培例は稀。 Bletilla ochracea 中国大陸産シランと B. formosana および B. ochracea は、混生する地域では相互に浸透交雑がみられ、それぞれの種の間に連続した中間型が出現する。さらに栽培下では台湾産の B. formosana や日本産のシランとも容易に交雑する。これらの種間ではどのような組み合わせでも種子の稔性は良好で、なおかつ雑種後代でも稔性の低下はみられない。 シラン属は種子発芽率が高いため、栽培下において昆虫などにより交雑した種子が飛散すると、雑種個体が自然実生として発芽・生長してくる事も稀ではない。それらが園芸的に優れた個体であった場合は両親不詳のまま「姫シラン」等の商品名で増殖流通されることもあり、近年では純血種ではなく交雑種と思われる個体が「シラン」という商品名で純血種と区別されずに園芸流通している場合もある。 現在のところ、交雑個体が野生逸出した事例は報告されていない。しかし交雑種の流通量が年々増加しつつあることから、野生個体群がみられる地域では、栽培品から花粉や種子が運ばれて遺伝子汚染をひきおこす危険性について考慮が必要である。 園芸流通品にはさまざまな変異個体と、それらの交雑種も混在しているため写真のみで正確に種名同定をすることは難しいが、インターネット上では明らかに品種違い、種名違いと思われる画像も散見される。参考資料として引用する場合には注意を要する。
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