コンビニエンス・ラジオ・ホン
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「自動車電話」の記事における「コンビニエンス・ラジオ・ホン」の解説
コンビニエンス・ラジオ・ホン (CRP : Convenience Radio Phone) は、法規上の名称は簡易陸上移動無線電話通信で、 800MHz帯(下り815~821MHz、上り885~887MHz)を利用した大ゾーン方式でハンドオーバー機能が無い(ゾーン間制御等の複雑な制御は行わない)、公衆交換電話網と相互接続される自動車向け移動体通信である。 ゾーン内の同時通話数の少ない地域向けに、基地局・移動局のコストを抑え、自動車電話の普及が遅れていた地方都市に安価な自動車電話を普及させる目的で開発された。情報化による地域活性化を目的とした郵政省のテレトピア構想に指定された地方都市の一部でサービスが行われていた。 同時通話が可能なチャンネル数が少ないため通話時間が1回3分に制限される、自動車電話からの発信しかできない、携帯端末の小型化が進まなかった、サービスエリアは基地局から20km圏内となっていたものの不感地帯が多かったなど、使い勝手の悪い部分があった。 1989年11月から各社が順次サービスを開始したが、PHS・携帯電話の普及と通話料金の低価格化による競争の激化で経営不振に陥り、1997年7月までに全社がサービスを終了した。なお譲渡先の携帯電話会社は周波数を携帯電話用に転用することを目論んでいたため、全社ともにサービス終了後に事業譲渡が行われた。 十勝テレホンネットワーク→北海道セルラー電話(現 KDDI)サービスエリアは北海道帯広市及びその周辺地域 1989年11月28日∼1997年7月1日 十勝テレホンネットワークは不動産賃貸業者に業態転換後、2011年9月20日破産。 テレコム青森→NTT東北移動通信網(現 NTTドコモ)サービスエリアは青森県青森市・弘前市・五所川原市・黒石市及びその周辺地域 1990年7月1日∼1997年7月1日 釧路テレコム→NTT北海道移動通信網(現 NTTドコモ)サービスエリアは北海道釧路市及びその周辺地域 1990年11月1日∼1997年7月1日 業態転換後ノーステックテレコムに社名変更し、代理店としてドコモショップを運営。 山口ニューメディアセンター→NTT中国移動通信網(現 NTTドコモ)サービスエリアは山口県山口市・防府市・宇部市・新南陽市・徳山市など、5市3町とその周辺地域 1990年12月1日∼1995年7月 山口ニューメディアセンターは業態転換後、2002年3月に解散。 テレコム八戸→東北セルラー電話(現 KDDI)サービスエリアは青森県八戸市及びその周辺地域 1993年7月1日∼1997年7月1日 テレコム八戸はコミュニティFM「Be FM」の運営会社に業態転換後、ビーエフエムに社名変更。 長岡移動電話システム→エヌ・ティ・ティ移動通信網(現 NTTドコモ)サービスエリアは新潟県長岡市及びその周辺地域 1993年7月1日∼1997年7月1日 業態転換後、長岡移動電話システムはコミュニティFM「FMながおか」の運営会社に再び業態転換。 テレネット遠州→日本移動通信(現 KDDI)サービスエリアは静岡県浜松市及びその周辺地域 1993年7月1日∼1997年7月1日
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