コロンバイン高校銃乱射事件を巡って
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「マリリン・マンソン」の記事における「コロンバイン高校銃乱射事件を巡って」の解説
事件発生前からアメリカのキリスト教保守派は、自ら「アンチ・クライスト・スーパースター」と名乗り、セックスと暴力を歌うマンソンに怒っており、糾弾するきっかけを待っていた。そんな最中、1999年4月20日、アメリカ・コロラド州ジェファーソン郡のコロンバイン高校に、同校の学生2人が銃を持って乱入し、生徒12人と教師1人を射殺して自殺した事件(コロンバイン高校銃乱射事件)が発生。メディアでは2人はマンソンの影響を受けていたという報道がなされた(暴力的なビデオゲームポスタルの影響を疑う報道もあった)。 後ほど2人はマンソンのファンではないと判明したが、その事実は殆ど報道されず、今でも乱射事件はマンソンの影響と信じている人も多い。キリスト教保守派メディアは、彼の社会的影響を追及した。抗議集会が開かれ、その集会の出席者から「マリリン・マンソンは、「恐怖」や「憎悪」、「自殺」や「死」を広めに来る」といった不条理な讒謗を受けた。とりわけキリスト教徒からの誹謗は強かった。 この事件を扱ったドキュメンタリー映画『ボウリング・フォー・コロンバイン』にマンソンは出演しており、監督を務めたマイケル・ムーアによるインタビューを受けている。そのインタビューの中で彼は、 「事件の事で俺が糾弾される理由は分かるさ。俺を犯人に仕立て上げれば(マスコミに)都合が良いからだ」 「俺が表現してるものは恐怖だ。その事で誰にも遠慮はしてないよ」 「あの悲惨な事件は2つの副産物を生み出した。娯楽における暴力的な描写と銃規制だ。この2つは次の大統領選挙の争点と重なる。だが、人々は、大統領(ビル・クリントン)がモニカ・ルインスキーとホワイトハウスでした事や、他の国を爆撃した事も忘れてるんだ」 (コロンバイン高校銃乱射事件が起こったその日に、アメリカがコソボを空爆した事について)「皮肉な話だよな。大統領のせいであんな悲惨な事件が起きた、とは誰も言わない。メディアが望む形で恐怖を生み出せないからだ」 「毎日視聴するテレビのニュースで、人は恐怖を詰め込まれる。アメリカ政府とマスコミが恐怖と消費を煽ってるんだ。アメリカの経済はそういう仕組みになってるのさ」 (「コロンバインを襲撃した犯人の高校生に言いたいことは?」と訊かれて)「何もない。ただ黙って彼らの言いたい事を聞く。誰1人としてそれをやらなかった」 と語った。 加害者と関係があり、一時期警察から加害者の1人にでっち上げられた男性もredditのIAmAで、「テレビや音楽で影響を受けるなら、僕は毎日タンポンと車を買うだろう」と、マンソンだけが原因ではないことを語っている。
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