コスト面での批判
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/09 09:53 UTC 版)
「第4回20か国・地域首脳会合」の記事における「コスト面での批判」の解説
G8およびG20サミットの開催費用は政治論争の種となりまた地元市民団体の批判の的ともなった。両サミットになぜ巨額の費用がかかったかについて政治家や地元団体は疑問を呈している。国会議員のオリビア・チャウとマーク・ホランドは当初の予算11億ドルは「節度を欠いて」おり「常軌を逸している」と主張、また別の議員はカナダで長年の懸案事項であった、トロント市のトランジット・シティ (Transit City) 計画におけるライトレール交通(次世代型路面電車)構想など にお金をつかうこともできたはずだと述べている。この二つのサミットに掛かる警備費用は、2010年2月-3月のバンクーバーオリンピックとパラリンピックに掛かった費用8億7800万ドルを上回るものと想定されていたが、2010年10月カナダ庶民院 (下院)の出した最終計算結果では両サミットの警備費用は8億5790万1850.31ドルと、冬季オリンピックのそれを下回った。 2009年のロンドン・サミットとピッツバーグ・サミットの警備費用はそれぞれ3000万ドル1800万ドルであったが、当初トロント・サミットはこれらを越えて過去最高の開催経費がかかるものとの意見があった。だが、カナダ議会予算局のケビン・ペイジ (Kevin Page) 局長のG8ムスコカ・サミットとトロント・サミットに関する公式報告では、他国は同様の会合経費について全額を公開するような形ではなく、ピッツバーグサミットの警備経費1800万ドルは単に地元警察官の残業手当や他地域からの当局関係者の出張手当でしかないとの見解を示している。カナダ安全情報局の元局長でバンクーバーオリンピックおよびG8/G20サミット統合治安部隊隊長を務めたワード・エルコック (Ward Elcock) は警備に掛かった額は実際は前回サミットと「同等だ」と述べている。カナダ財務相ジム・フラハティ (Jim Flaherty) は警備費用への批判について「安全確保のために十分な費用を支出する必要があった。今回はカナダが費用を払う版だったということだ。サミット開催を引き受けないか、トロントでの安全を保障すべく必要な経費を支出するか、どちらかでしかない」と反論した。 総工費2300万ドルの国際メディアセンター、特にエキシビション・プレイス内につくられた190万ドルのパビリオン「エクスペリエンス・カナダ」と5万7000ドルの人工池は広い層から「税金の無駄遣いだ」として批判の的となった。批判の矛先は主にハーパー首相とカナダ保守党へと向けられた。反対グループの中には人工池を「ハーパーのフォリー(フォリー follyには「愚行」と「装飾目的の建物」の二つの意味がある」と揶揄する声もあった。カナダ国会下院の庶民院では議員マーク・ホランドが「政府は、世界の指導者を招待するのではなく、レディー・ガガでも呼んでパーティーでもするつもりだったのだろうか」と批判した。サミットの目的を間違った方向に導いた カナダの特徴を誇示する サミットの議題をすすめるattributeAccording to some critics, the spending misled the objective of the summits into showing off Canada's attributes instead of promoting the summits' agendas.。カナダ新民主党の党首だったジャック・レイトン (Jack Layton) は「世界のどんな国よりも池の多いここカナダで、あえて人口池を作らないではいられないのが今の政府だ。この偽物の池の底に行き着くのは納税者だ」とハーパー内閣を糾弾した。これに対しカナダ交通相ジョン・ベアード(英語版)はサミットは「カナダが出来る最高のものを紹介するチャンスだ」と述べた。またローレンス・キャノン外相は世界的なイベントを開催する国で、世界にその国の良いところを見せようとするのは「普通のこと」だとしたまたハーパー首相は「(世界的会議を開催することで)国を売り込むというのは古典的な手法だ」と反論した。サミット開催時、人工池はカナダの記者陣には不評を買った。
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