ケトン食の維持
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 10:11 UTC 版)
「ケトジェニック・ダイエット」の記事における「ケトン食の維持」の解説
ケトジェニック療法を開始したら、定期的に通院し、神経内科医と栄養士による診断と精密な検査を受ける。検査は最初の1年間で3か月ごとに1度、その後は半年に1度の間隔で行われる。1歳未満の乳児の場合は2~4週間に一度の間隔で通院し、何度となく検査を行う。一定状態のケトーシスを維持しても問題のない状態にし、患者の身体がこの食事に適応できるようにするため、食事の微調整を行う期間が必要になる。この微調整は、大抵は病院にいる栄養士と電話しながら行われる。摂取カロリーやケトン体産生比率を変更したり、MCTオイルやココナッツオイルの摂取の追加も含まれる。ケトン体の濃度は、癲癇による痙攣発作を抑える効果とは相関しないが、ケトーシスになっているかどうか、患者が毎日この食事法を続けているかどうかを確認するため、尿中のケトン体の濃度を毎日検査する。尿中のケトン体を検出する際には、専用のディップスティック( Dipstick )である「尿中ケトン体試験紙」を用いて行い、試験紙の色が「淡黄色」(薄い黄色に茶色が少し混ざったような色)から「エビ茶色」(赤みと紫を帯びた薄い茶色)に変化した場合、ケトン体が尿中に出ている証拠となる。これは無機化合物の1つでケトン体検出薬としても用いられているニトロプルシド( Nitroprusside )が、尿中のアセト酢酸( Acetoacetic Acid, ケトン体の1つ )に反応して変色するためである。 病気を患っている間や、ケトン体の濃度の変動が起こっているときには、発作の頻度が一時的に増加する可能性がある。発作を起こす頻度が高いままであったり、患者の体重が減少している場合、食事の内容を少し変えることもある。 なお、予期せぬ要因から、発作が制御不能に陥ることがある。「無糖」とされている食べ物であっても、マルトデキストリン( Maltodextrin )、ソルビトール( Sorbitol )、デンプン( Starch )、果糖( Fructose )といった糖分を含んでいる場合がある。日焼け止め化粧水や肌荒れを防ぐ製品に含有されるソルビトールが皮膚を通して体内に吸収され、これによってケトーシス状態を台無しにするだけの十分な潜在能力を秘めている。
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