ガスストーブ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 20:01 UTC 版)
ガスを燃焼させた時に発生する熱を、直接室内に放出させることで室温を上昇させる機器。熱の放出方法により、対流式と反射式に分かれる。形状は石油ストーブに類似しているが、比較すると点火から放熱までの時間が短く、点火・消火時、および燃焼中でも未燃焼ガスによる臭いが生じにくい等の利点がある。構造が簡単で全般的に安価であり、また稼働中に電力を必要としない機種が多いため、災害などによる停電時でも、ガスの供給が可能であれば使用できる。反面、都市ガスやプロパンガスを使用するタイプのものの欠点としては、ガスタンクを本体に内蔵できないため、必ずガスコードと呼ばれるガス種ごとの専用の丈夫なホースで元栓と接続させる必要があり、設置や移動において制約を生じる。 ただし近年は、カセットガスコンロ用の(ブタンガスの)ボンベを使う持ち運び可能な小型のガスストーブが発売されており、これは屋内でも屋外でも持ち運びが可能である。この場合カセットガスの容量分しか燃焼は継続できないため、2時間ほどしか使用できない。また一部カフェなどでは冬でも屋外で飲食が可能なよう、プロパンボンベを内蔵した屋外型の比較的大型のパラソル型ストーブがあり、独立して移動可能である。これは元々は欧州などで普及していたものであり、日本でも近年見られるようになった。2020年のコロナ禍以降、いわゆる3密を避けるために、飲食店で屋外の席を活用することが増えたが、冬期間のテラス席などで暖を取るための熱源としても利用されている。 電力を使用しないタイプのガスストーブは、稼動時、自動での細かな燃焼調整が行われない(多くは火力を手動操作する強と弱の二段階しかない)ため、ガスファンヒーター等、他のガス暖房機と比較し、燃費は不利である。 また、プロパンガスの単価は都市ガスと比較し、一般的に高いため、ランニングコスト等の問題により、ガスストーブはプロパンガス地域で店頭販売されていることは稀であるが、都市ガス地域ではポピュラーである。ただ、ガスの調整弁を各ガス種のものにすることで、本体部品の多くを共用可能であるため商品ラインナップとしては各ガス種のものが取り揃えられてはいる。 なお、燃焼ガスを常時室内へ放出しているため、屋内では定期的に室内空気を外気と換気することが、燃料ガスの種類にかかわらず必要である。
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