ガスの供給
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/09/25 22:26 UTC 版)
X線パルサーに供給されるガスは、中性子星の軌道の大きさや形、伴星の性質等に応じて様々な経路を通って中性子星に達する。 いくつかのX線パルサーの伴星は、非常に質量の大きい若い恒星で、表面から恒星風を放射しているO型からB型の超巨星である。中性子星はその風を受け、常にガスを受け取っている。ほ座X-1は、このような系の例である。 別の系では、中性子星は伴星の非常に近くを公転しており、強い重力で伴星の大気から自身の周囲の軌道に物質をひっぱり、ロッシュ・ローブオーバーフローとして知られる過程で質量転移が行われる。獲得した物質は降着円盤を形成し、らせん状に中性子星に落ち込む。ケンタウルス座X-3は、このような系の例である。 さらに別の系として、伴星が非常に高速に回転し、赤道上にガスの円盤を持つBe星である場合がある。中性子星の軌道は通常大きく、偏平な楕円形である。中性子星がBe星の円盤の付近またはその中を通過すると物質を獲得し、一時的なX線パルサーとなる。Be星の周りの円盤は未知の理由で拡大収縮するため、一時的なX線パルサーは、しばしば数ヶ月から数年間おきに途切れ途切れにしか観測されない。
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