カラマーゾフ家
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「カラマーゾフの兄弟」の記事における「カラマーゾフ家」の解説
フョードル・パーヴロウィチ・カラマーゾフ カラマーゾフ家の家長。強欲で好色な成り上がりの地主。前妻のアデライーダ・イワーノヴナ・ミウーソワとの間に長男のドミートリイをもうけたが、その後に駆け落ちされた。後妻はヴォロホフ将軍の未亡人に養育されていたソフィヤ・イワーノヴナであり、次男のイヴァンと三男のアレクセイをもうけた。しかし、子をろくに養育しようとしなかった挙句ソフィヤには先立たれ、今は独身である。直情的かつ暴力的なドミートリイを恐れているものの、本当に怖いのはイヴァンだと言う。グルーシェンカを巡ってドミートリイと争っている。 ドミートリイ・フョードロウィチ・カラマーゾフ(ミーチャ、ミーチカ) フョードルの長男。28歳。フョードルと前妻の子。退役軍人。放埒で堕落した生活から抜けきれない、直情型の人物。しかし野生的な魅力があり女性に結構好意を寄せられてもいる。フョードルの企みによって、自分の全財産がどれほどなのか知らぬままありったけの金を使い込み、それによって婚約者のカチェリーナに借金をしてしまう。さらにグルーシェンカをめぐってフョードルと醜悪な争いを繰り広げ、それが最悪の結果を呼び起こす。 イヴァン・フョードロウィチ・カラマーゾフ(ロシア語版)(ワーニャ、ワーネチカ) フョードルの次男。24歳。フョードルと後妻の子。幼い頃は、母の養育者の筆頭相続人で他の県の貴族会長を務めていたエフィム・ペトローウィチ・ポレノフに養育されていた。理科大を出たインテリで、合理主義・無神論を標榜しているが、自分を完全に信じ込むまでは至っていない。「神がいるのであれば、どうして虐待に苦しむ子供たちを神は救わないのか?」とアレクセイに言い放ち、純朴なアレクセイの中にも悪魔が宿っていることを確信する。カチェリーナを愛している。 アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフ(ロシア語版、英語版)(アリョーシャ、リューシェチカ) フョードルの三男でこの物語の主人公(続編があるという前提で書かれた序文ではそう述べられているが、実際に書かれた当作だけではドミートリイを主人公とする意見もある)。フョードルと後妻の子。イヴァン同様、エフィム・ペトローウィチ・ポレノフに養育されていた。中学校を中退して修道院に身を預けた修道僧であり、純情で真面目な美青年。神の愛によって肉親を和解させようとする。ゾシマ長老の命で、彼の死後は還俗する。 スメルジャコフ(パーヴェル・フョードロウィチ) カラマーゾフ家の使用人(コック)。「神がいなければ、全てが許される」というイヴァン独特の無神論に心酔している。てんかんの発作という持病を抱えている。幼い頃は猫を縛り首にする等の動物虐待をしていた。母は町の乞食女で神がかり行者と言われたイリヤー・リザヴェータ・スメルジャチシャヤで、彼女はスメルジャコフをカラマーゾフ家の風呂場で産んだ直後に死亡した。父親はフョードルだと町の人々は思っており、フョードル自身も積極的に否定しておらず、彼をカラマーゾフ家の使用人グリゴーリイとマルファ夫妻の手によって育てさせた。
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