カラマ噴火期とゴート・ロックス噴火期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 16:24 UTC 版)
「セント・ヘレンズ山」の記事における「カラマ噴火期とゴート・ロックス噴火期」の解説
セント・ヘレンズ山はシュガー・ボウル噴火期から約700年間の休息期間を経た1500年頃、突発的に活動を再開し、カラマ噴火期と呼ばれる活動期間に入った。薄い灰色をした軽石と火山灰を噴出し、セント・ヘレンズ山の北東斜面には約9.5kmにわたって噴出物が約1mほど堆積した。また、北東方向に約80km離れた地点においても約5cmの降灰が確認されている。さらに大規模な火砕流や土石流が西側の斜面で発生し、カラマ川に流れ落ちた。 カラマ噴火期は約150年間にわたって継続し、二酸化珪素の成分がほとんど含まれていない溶岩が噴出した。また淡い色をした火山灰と暗い色をした火山灰の層が交互に積み重なり、少なくとも8層にわたって堆積した。その後、粘度の高い安山岩の溶岩が山頂火口から山体の南東斜面に流れ落ちた。続いて火砕流がその上を流れ落ち、一部はカラマ川にまで到達した。カラマ噴火期の末期になると山頂火口に巨大な溶岩ドームが形成され、山頂火口の大部分が溶岩ドームに覆われた。カラマ噴火期は1647年に収束し、高くそびえる左右対称な姿のセント・ヘレンズ山へと成長した。 1800年、セント・ヘレンズ山はゴート・ロックス噴火期と呼ばれる活動期間に入った。ゴート・ロックス噴火期は、口承記録と文書記録が存在する最初の活動期間である。ゴート・ロックス噴火期はカラマ噴火期と同様に安山岩の溶岩を噴出させ、フローティング・アイランド溶岩流が北側斜面を流れ、溶岩ドームが形成された。このときの火山灰は主にセント・ヘレンズ山の北東方向へ流れ、ワシントン州中央部から東部、およびアイダホ州北部、モンタナ州西部で降灰が確認された。1831年から1857年にかけて10回を超える小規模な噴火が繰り返し発生し、周辺地域への降灰が幾度となく記録された。このときの噴火口はゴート・ロックスもしくはその付近に形成されたと推測されている。そしてセント・ヘレンズ山は再び123年間の眠りに入った。
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