カフェ小史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 08:14 UTC 版)
起源エチオピア南西部にあったKingdom of Kaffa(1390年–1897年)からもたらされたと、Antonius Faustus Naironusの著書 De saluberrima potione cahve (1671) に記されている。17世紀にはエチオピアのコーヒーはモカに集積され、オスマン帝国へ納税してから出荷された。カフェやモカの語源は、現在のエチオピア南部諸民族州の少数民族の名前(カフィチョ人(フランス語版)、Mocha/Sheka)に由来している。 イスラム圏 イスラム圏にはヨーロッパより古くからコーヒーを飲ませる店があった。16世紀にはサファヴィー朝やオスマン帝国に普及が始まった。史上初めてのカフェが登場したのは、1554年のコンスタンティノープル(現イスタンブール)だった。オスマン帝国でカフェは、トルコ語で「コーヒー」を意味する"Kahve"から転訛した"Kafe"の名称で知られた。 ウィーン もともとウィーンにコーヒーを飲む習慣を持ち込んだのはウィーンに攻め込んだオスマントルコ(オスマン帝国)の人々なのだが、そのオスマントルコ軍が第二次ウィーン包囲で敗れて去っていった時に、オスマン軍の陣営が保有していたコーヒー豆がポーランド・リトアニア共和国軍のイェジ・フランチシェク・クルチツキ(英語版)へ払い下げられ、軍を退役したクルチツキは1686年にウィーンで初めてのカフェ「青いボトルの下の家(英語版)」(ドイツ語: Hof zur Blauen Flasche)を開業したと言われる。その後、18-19世紀に店舗の数も増え、かつて文学者や芸術家が通ったという名物カフェが観光名所になっている。ウィーンのカフェはウィンナ・コーヒーを提供するという特徴がある。 ロンドン ロンドンでは17世紀後半からコーヒー・ハウスが流行した。こちらの方がパリのカフェよりも歴史は古いが、後にはパブに取って代わられた。 パリ 現存するフランス最古のカフェ(café)がパリのカフェ・プロコップで1686年の創業。18世紀に入るころには300軒ほどのカフェがあり、フランス革命前には700軒ほどになっていたという。ルソー、ディドロといった思想家のほか革命家や政治家もカフェに集まり、議論を行ったり、密議をこらす場面が見られた。カフェはフランス人の生活に根付いており、ヴェルレーヌやランボー、マラルメ、ピカソなどの文化人、芸術家が出入りしたドゥ・マゴ・パリも有名。 路上に椅子やテーブルを置く開放された営業スタイルを始めたカフェは1856年の「カフェ・エルデール」が最初である。この営業慣習は第三共和政の頃に一般的になったが、「メゾン・ドレ」のようなブルヴァールに面したカフェは庶民や一見客用の表口とは別に、上流階級用の個室への裏口が設けられていた。 ヴェネツィア サンマルコ広場にあるカッフェ・フローリアン (Caffè Florian) は、Caffè Latte(カフェラッテ)の発祥店でもある。1720年12月29日サン・マルコ広場に創業し、現在も同じ場所で営業している。当初はアッラ・ヴェネツィア・トリオンファンテ (Alla Venezia Trionfante) と名付けられたが、 現在では創業者であるフロリアーノ・フランチェスコーニ (Floriano Francesconi) の名をとって、フローリアンと呼ばれる。 向かい側の回廊には、1638年創業のカッフェ・クアードリがある。
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