カナダ宇宙庁(CSA)
北米とヨーロッパを結ぶ宇宙大国として
カナダ宇宙庁(CSA)はカナダ産業省の監督下にある組織で、宇宙開発技術の発展・応用を行う世界の先導的組織となることを目標として、 1989年に設立されました。本部はケベック州モントリオールにあり、組織全体では1999年現在、約350人の職員が働いています。オンタリオ州オタワにあるデビッド・フロリダ研究所(DFL)はCSAが管理する主な施設の1つで、ロケット打上げや宇宙飛行の際に生じる高温、高気圧の環境を再現できる施設が整っており、宇宙船の組立てや実験はここで行われています。
カナダでは宇宙産業が占める経済的割合が大きく、国家歳入のうち12億カナダドルは宇宙産業からの収入です(1999年現在)。欧州宇宙機関(ESA)にも準メンバーとして参加しています。
写真:カナダ宇宙庁
国際宇宙ステーションにも積極的に参加
CSAの組織は宇宙システム、宇宙テクノロジー、宇宙科学、カナダ宇宙飛行士局、宇宙オペレーションの5部門を基本としています。このうち宇宙システム部門では、国際宇宙ステーションにおいてカナダが担当するモービル・サービシング・システム(MSS)の開発を行っています。MSSは宇宙ステーションの組立てやシャトルとのドッキングなどに使用される重要コンポーネントの1つです。また宇宙オペレーション部門は、前述のDFL運営のほかに、カナダ初の地球観測衛星「レーダーサット」(RADARSAT)の開発も行っています。
1995年に打ち上げられた「レーダーサット1号」は現在も運用中ですが、2003年の末に合成口径レーダー衛星(Synthetic Aperture Radar Satellite)として機能する「レーダーサット2号」を打ち上げる予定です。
写真:カナダ最初の地球観測衛星「レーダーサット」(RADARSAT)
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