カッパのバッジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/30 08:53 UTC 版)
1956年の大東京祭以降、東京都は都民の日を記念したバッジ「大東京祭記念徽章」を毎年発売した。当初は彫刻家の朝倉文夫がデザインしていたが、1959年からは漫画家の清水崑によるカッパをモチーフとしたデザインとなった。カッパが採用された理由としては、隅田川にカッパの巣が多くあったとする伝承によるものだとされている。その後、バッジのデザインは、1976年から漫画家の小島功に引き継がれ、カッパのモチーフもそのまま受け継がれることになった。 このバッジは都営施設の無料入場を認める際の目印として用いられ、都内の各区市町村の窓口や宝くじ売り場などで一般販売を行った他、都内の小中学校などでも組織購入が行われた。このため、1960年代から1990年代ごろまでの間に都内で幼少期を過ごした世代には、カッパバッジとして広く親しまれることになった。 しかし、1972年からプラスチックケースに入った色違いの5個セットも販売されるようになり、子供が購入するには高価になりすぎたこと、また、無料公開される施設が減少するなどバッジの目的が薄れたため、1997年の都民の日を最後にバッジの販売は行われなくなった。全国的に販売が行われたわけではない東京ローカルのバッジのために都民以外にはほとんど知られていなかったが、漫画こちら葛飾区亀有公園前派出所に登場したことで昭和にかつて存在した東京文化として広く知られるようになった。 2018年、江戸から東京への改称と東京府設置150年記念事業の一環としてカッパバッジが復刻されることが発表され、7月10日より1977年版バッジの復刻版と、新規に安齋肇のデザインで製作されたカッパのバッジが販売された。 なお、2018年に発売されたバッジは、復刻版・新規作成版ともに磁石留め方式に変更された。裏面には事業名や日付など何も刻印されていない。
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