オリジナルビデオなどとの違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 21:56 UTC 版)
「ビデオスルー」の記事における「オリジナルビデオなどとの違い」の解説
最初から劇場公開を意図していないオリジナルビデオ(実写)やOVA(アニメ)とは、事情が異なる場合が多い。 映画において、日本市場においてビデオスルーになる主な理由は、興行収入が期待できないと判断された場合や、劇場公開が取り止めの作品となった場合などである。また、第二次世界大戦の時期に製作され、劇場公開されなかった一部の作品も該当する。劇場配給にはかなりの経費を要するため、製作国で興行的に失敗した作品や、製作国ではヒットしても日本の市場に合わないと考えられる作品は、劇場配給に要する多額の経費を回収できないと判断され、リスクの回避する目的で劇場公開されない。『ホテル・ルワンダ』(第77回アカデミー賞3部門ノミネート)や『ヒックとドラゴン2』(第72回ゴールデングローブ賞アニメ映画賞受賞)など、海外の映画賞で高い評価を受けた作品も例外ではなく、日本での劇場公開を求めて映画ファンによる署名運動が発生したこともある。一方、劇場配給を行わないことはビデオ(DVD)を販売するうえで営業的に不利に働くため、劇場公開の実績を作る目的で、配給にかかる経費が低予算で済むミニシアターなどの小さな映画館1か所でのみ短期間の上映(単館上映)をして、パッケージに「劇場公開作品」と記載して販売するケースもある。グレーゾーンとの批判もあるが虚偽の記載ではないため、問題にされないのが現状である。 アメリカ合衆国には独立製作スタジオが多く、映画やテレビドラマの製作そのものは行われたものの大手配給会社や大手ネットワークの買い付けにかからないなどの理由から、結果としてビデオスルーになる作品も少なくない。 Netflixなどのインターネット動画配信事業者ではビデオスルーと区別せずに、国や地域で独占的に配信される作品すべてをオリジナルビデオと称している。 2020年代初頭に発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による映画館の休業などに伴い、ウォルト・ディズニー・カンパニーやワーナー・ブラザース・ピクチャーズなどのハリウッド大手映画会社では劇場公開を中止して、傘下の定額制動画配信サービスにて公開される作品が相次いでいる。
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