エネルギーと輸送手段
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 02:24 UTC 版)
「テクノロジー」の記事における「エネルギーと輸送手段」の解説
同じ頃、人類は新たな形態のエネルギーの利用法を学びつつあった。風の力はまず舟の帆で利用され始めた。記録に残っている世界初の帆船は、紀元前3200年ごろのエジプトのものである[要出典]。先史時代からエジプト人は毎年洪水を起こす「ナイル川の力」を利用しており、灌漑水路を築いて溢れた水を盆地に導くことで灌漑用水を確保する方法を学んでいった。同様にメソポタミアのシュメール人もチグリス川とユーフラテス川について同様の利用方法を学んでいった。しかし、水力や風力をさらに有効利用するには、もう1つの発明が必要だった。 考古学者によれば、車輪の発明は紀元前4000年ごろとされている。車輪はおそらく、メソポタミアで発明されたと言われている。時期は紀元前5500年から3000年まで様々な説があるが、紀元前4000年ごろとする専門家が多い。車輪を使った荷車が描かれた人工物として最も古いものは紀元前3000年ごろのものである。しかし、そのような絵が描かれる千年前から、車輪を使った輸送手段が存在していただろうと言われている。また、同時代にろくろとして車輪を使っていた証拠も残っている。なお、元々のろくろは車輪を使ったものではなく、地面に突き立てた棒の上に真ん中に窪みか穴のある平らな板を載せただけのものだった。近年、スロベニアのリュブリャナの湿地で世界最古の木製の車輪が発見された。 車輪の発明は、輸送、戦争、陶工(最初の車輪の用途と言われている)といった様々な活動に革命をもたらした。車輪を使った荷車は重い物を運ぶのに使われ、ろくろは陶器の大量生産を可能にした。さらに、車輪は風車や水車といった新たなエネルギー変換手段を生み出し、人力以外の動力の応用という革命をもたらした。
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