エイト・クイーンとは? わかりやすく解説

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エイト・クイーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/11 03:30 UTC 版)

エイト・クイーンとは、チェスの盤とコマを使用したパズルの名称である。

ルール

チェスの盤上に、8個のクイーンを配置する。このとき、どの駒も他の駒に取られるような位置においてはいけない。

クイーンの動きは、上下左右斜めの8方向に、遮る物がない限り進める。将棋の飛車角行を合わせた動きである。

4駒で簡略に解説すると、

配置例 A
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
配置例 B
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh

例Aではどの駒も他の駒に取られない位置にあるので正しい配置。例Bではの2駒が互いに取られる位置にあるので誤った配置となる。

歴史

このパズルは、1848年にチェスプレイヤーのマックス・ベッツェルによって提案された。ガウスを含む多くの数学者がこの問題に挑戦した。1874年に Gunther が行列式を用いて解く方法を提案し、イギリスのグレイシャー (en:Glaisher) が全解が12個であることを確認した。

基本解は12種類ある。下記の解1〜11は、回転と鏡像でそれぞれ8種類の変形がある。解12は点対称なので、4種類の変形しかない。したがって、解の総数は 92(=8×11+4)になる。

8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 1
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 2
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
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abcdefgh
解 3
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
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abcdefgh
解 4
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 5
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 6
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 7
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 8
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 9
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 10
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 11
8
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
解 12

n-クイーン

一辺のマスをnとした変形版を「n-クイーン」パズルという。例えば「4-クイーン」では4×4のマスで4個の駒を使用する(他にも縦横比が1:1ではない矩形や、ペグ・ソリティアの盤面、不定形などいろいろ考えられるがここでは言及しない)。

  • 2-クイーンと3-クイーンには解がない。
  • 4-クイーン以上なら一辺のマス数に等しい数のクイーンが置ける。

単純に見てnが増えるのに従って、全マス数n2個に対し置く駒の数はn個であるから、置ける場所(の候補)の増え方により、解の数には組合せ爆発が起きる(ただしnが5から6に増える場合は解の数が減少する)。2009年にドレスデン工科大学で26-クイーンが計算された[1]。現在すべての解が判明している最大のものは、2016年にQ27 Projectによって計算された27-クイーンである[2]
n=27までの解は次の通り[3]

n 基本解 バリエーション解
1 1 1
2 0 0
3 0 0
4 1 2
5 2 10
6 1 4
7 6 40
8 12 92
9 46 352
10 92 724
11 341 2 680
12 1 787 14 200
13 9 233 73 712
14 45 752 365 596
15 285 053 2 279 184
16 1 846 955 14 772 512
17 11 977 939 95 815 104
18 83 263 591 666 090 624
19 621 012 754 4 968 057 848
20 4 878 666 808 39 029 188 884
21 39 333 324 973 314 666 222 712
22 336 376 244 042 2 691 008 701 644
23 3 029 242 658 210 24 233 937 684 440
24 28 439 272 956 934 227 514 171 973 736
25 275 986 683 743 434 2 207 893 435 808 352
26 2 789 712 466 510 289 22 317 699 616 364 044
27 29 363 791 967 678 199 234 907 967 154 122 528

大衆文化

  • コンピューターゲームザ・セブンス・ゲスト英語版で、ヘンリー・ストーフの屋敷のゲームルームに、ザ・クイーンズ・ジレンマ(The Queen's Dilemma)という8番目のパズルがある、このパズルは、事実上のエイト・クイーンのパズルである。[4](pp48-49,289-290)
  • ニンテンドーDSゲームレイトン教授と不思議な町で、物語の結末を知る者の部屋にある「クイーンの問題5」という130番目のナゾは、事実上エイト・クイーンのパズルである[5]

関連項目

出典

  1. ^ QUEENS@TUD(英語)”. "2016-09-07"閲覧。
  2. ^ Q27 Project: Facts(英語)”. "2018-02-10"閲覧。
  3. ^ QUEENS@TUD: Facts(英語)”. "2016-09-07"閲覧。
  4. ^ DeMaria, Rusel (1993年11月15日). The 7th Guest: The Official Strategy Guide. Prima Games. ISBN 978-1-5595-8468-5. http://www.thealmightyguru.com/Wiki/images/a/a7/7th_Guest%2C_The_-_Official_Strategy_Guide%2C_The.pdf 2021年4月22日閲覧。 
  5. ^ ナゾ130 クイーンの問題5”. ゲームの匠. 2021年9月17日閲覧。

外部リンク


エイトクイーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/21 05:58 UTC 版)

違いを除いて」の記事における「エイトクイーン」の解説

エイトクイーンパズルでは、8つクイーンが(名前をつけるなどして)それぞれ別のものと考えることができるならば 3 709440 個の異なる解がある。しかし通常8つクイーンはすべて同じものと考えるので「クイーン入れ替える違いを除いて独立な解は 92 (= 3 709 440/8!) 個である」ということができる。ここでは異な配置が、チェス盤向きそのまま動かさずクイーン全体として配置変わらずクイーン同士入れ替え行ったものになっているとき、それらの配置同値であるものとすることになっている

※この「エイトクイーン」の解説は、「違いを除いて」の解説の一部です。
「エイトクイーン」を含む「違いを除いて」の記事については、「違いを除いて」の概要を参照ください。

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