エイズ擁護と影響訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 16:57 UTC 版)
「キヨシ・クロミヤ」の記事における「エイズ擁護と影響訴訟」の解説
1980年代初頭にアメリカでエイズの流行が始まると、クロミヤは、ACT UPフィラデルフィア支部の創設メンバーとして、多くのグループでエイズ活動家、研究者として幅広く活動するようになる。1989年にクロミヤ自身がエイズと診断された後、擁護活動はさらに激化した。クロミヤは「情報は力である」をモットーに、病気と向き合いながら知識を深め、後述のエイズ患者に対する医療用大麻の利用に関して国立衛生研究所の代替療法パネルに招待されるまでになった。 ACT UP Standards of Care(ACT UP標準治療)の作成にも関与した。これは、HIVの人々のために、AIDSの人々によって作成された基準としては初めてのものになった。 クロミヤはまた、ニュースレター「クリティカルパス」を創刊し、世界中の何千人もの人々や、AIDS情報にアクセスできない何百人もの収監者たちに郵送した。彼はさらに、「クリティカルパス」をインターネットの創成期のWebサイトのひとつに発展させ、誰でもAIDSの最新情報が得られる、HIV治療についての最初のリソースを作り上げた。 後にこのサイトを通じて、クロミヤは24時間ホットラインを運営し、フィラデルフィアの数百人のHIV感染者に無料でインターネットを提供する「クリティカルパス・エイズ・プロジェクト」を設立している。 1990年代後半、クロミヤはいくつかの社会的にインパクトを与える訴訟(影響訴訟、impact litigation(英語版))に参加し、成功を収めた。1997年には、インターネット上でのエイズに関する性的な情報の流通を保護するために、言論の自由を拡大するために最高裁に提訴し、通信品位法を破棄させることに成功。 1999年には、連邦政府による医療用大麻の禁止に反対する集団訴訟(Kiyoshi Kuromiya v. The United States of America)の原告として、エイズ患者への医療用大麻の合法化を求めた。彼は医療用大麻のバイヤーズクラブを運営し、フィラデルフィア地域の数十人のエイズ患者に公然と無料で大麻を提供していた経験から、大麻が初期のHIV治療薬の副作用を緩和し、人によっては既存の薬よりも効果的な治療法であることを訴えたのである。ただし、裁判所の判決はクロミヤに不利なものであった。
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