インドネシア発電所開発をめぐる贈賄事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:35 UTC 版)
「丸紅」の記事における「インドネシア発電所開発をめぐる贈賄事件」の解説
2002年以降丸紅はフランス企業アルストムの米国子会社と共謀し、インドネシア・スマトラ島のタラハン火力発電所の事業契約(1億1800万ドル相当)が受注されるよう、インドネシアの国会議員や国有電力会社幹部に依頼。丸紅は受注成功の見返りとして米国内にあるコンサルタント会社の銀行口座を経由して数十万ドルをインドネシアの銀行口座に送金した。この贈賄工作により、2004年7月丸紅は事業を受注、2007年に発電所は完工した。2014年事実の調査に当ったアメリカ合衆国司法省は丸紅に調査協力を促したが丸紅はこれを拒否。司法省は丸紅を連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)違反などの罪状でコネチカット連邦地方裁判所に提訴した。2014年3月19日丸紅はFCPA違反など8件の容疑事実を認め、罰金8800万ドル(約91億円)を支払う司法取引に合意。連邦地方裁判所は2014年5月15日に判決を出すことを決定した。2014年3月20日丸紅はニュースリリースのなかで2014年3月期連結業績予想(2100億円)に変更はないと見解を出したが、新たな独立コンプライアンスコンサルタントを起用する計画は否定した。丸紅の東証一部株価は発表後3週間で約80円下落。2014年3月26日、日本国外務省は政府開発援助円借款事業であるタラハン火力発電所事業において丸紅が不正を行いアメリカ司法省と司法取引をしたことに対し遺憾を表明し、丸紅に対し平成26年3月26日から平成26年12月25日までの9か月間ODA事業参加排除措置を執った。日本国には1998年に改定された不正競争防止法第18条で海外贈賄行為に対し10年以下の懲役もしくは1千万円以下の禁止罰金規定を定めているが、日本国の司法当局は本件事案に関し捜査を開始していない。
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