イベント・ドリブンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > イベント・ドリブンの意味・解説 

イベント‐ドリブン【event-driven】


イベント (プログラミング)

(イベント・ドリブン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/09 23:05 UTC 版)

プログラミングにおけるイベント (: event) は、プログラム内で発生した動作・出来事、またそれらを表現する信号である[1]メッセージあるいはアクション(動作)とも呼ばれる。

イベントの例としてWEBブラウザにおける「クリック」動作、ネットワークリクエストにおける「fetch完了」出来事が挙げられる。動作・出来事そのものではなく、それらをプログラム上で表現し詳細情報を保持しているオブジェクト(イベントオブジェクト)を単純にイベントと呼ぶことが多い。

イベントドリブン

イベントドリブン (イベント駆動型、: event-driven) とは、イベントに応じて選択的にインスタンスへの処理(メソッドの実行)やコンテクストの切り替えを行う方式である。アクションの例としては、キーボードのキーが押される、マウスのボタンがクリックされる、などがある。アクションが発生すると、イベント信号が付帯情報(キー種別やボタン種別などのデータ)とともに発信される。また、アクションを起爆剤としてさらに他のプログラムコードが動かされたりするようにプログラミングすることをイベント駆動型プログラミングと称することが多い。

一般的にGUIアプリケーションソフトウェアのプログラミングでは、イベントの発生を監視しながら待機するイベントループ(メッセージループ)にて、オペレーティングシステムから受け取ったイベント(メッセージ)オブジェクトを、あらかじめ登録されたコールバック関数[2]にディスパッチ(配送)してイベントに応じたユーザー処理(イベントハンドラー)を実行し、再びイベントループに戻るポーリング的な手法が用いられている。

なお、登録されるコールバック関数はそれぞれインタフェースが決まっており、プログラマはインタフェースを除いてこの関数の中身を自由に記述することでイベントを処理することができる。

通常、コールバック処理の登録は関数ポインタデリゲートなどを用いて実現される。Javaではコールバック処理のカスタマイズに、イベントリスナーインタフェースを実装するカスタム派生クラスでのメソッドオーバーライドを利用する[3]。イベントを言語の仕様として組み込んでいるプログラミング言語、たとえばC#では、特定のアクションが発生した場合に呼び出されるイベントハンドラーを簡潔に記述・登録できる。

DOM Events

DOMイベントはWebにおいて発生した動作・出来事である[1][4]。 正格な定義としては、Document Object Model(DOM)で定義されたEventinterfaceを実装するオブジェクトが event と呼ばれる[5]

例として、ウェブブラウザが発火するclick イベントや keydownイベントが挙げられる。またプログラマが任意に発火できるカスタムイベントCustomEvent interfaceの実装)も存在する[6]。これらのイベントを用いることでマウスクリックのような動作(アクション)、ネットワークリクエスト完了のような出来事(イベント)の発生を表現し、イベントに応答した振る舞いを定義できる。

DOM Eventsの特徴は、イベントの伝播がDOM(ウェブブラウザ処理系)によって扱われる点にある。イベントはDOM treeのnodeに対して発行され、treeのrootへ向かって各nodeで処理されながら伝播していく。この伝播はすべてウェブブラウザによって処理されており、その点でウェブブラウザはイベント(メッセージ)処理のためのミドルウェアとして働いているとみなすことができる。

排他制御におけるイベント

WindowsWin32以降)には、「イベント」と呼ばれるカーネルオブジェクトがあり、「Win32イベント」と呼ばれることもある。[7]このオブジェクトは、前述のイベントドリブンとはなんら関係ない。イベントオブジェクトは、そのオブジェクトがシグナル(発信)されることにより、待機状態にあるスレッドを再開させるなど、待機状態にある何らかの処理を起動する目的に使われる。また、プロセス間をまたいでイベントオブジェクトを共有できることから、スレッド間通信のみならずプロセス間通信にも利用される。

Win32イベントはイベント的事象を伝達することに特化しており、待機中スレッドがイベント待ちから解放されたとき、自動的にイベントを非シグナル状態にするといった機能がある。セマフォと似ているが、決定的な違いは、イベントは資源数が常に1であり、また伝達できる情報はシグナル発生のみである点である。

イベントは、各APIごとに次のようなクラスまたは関数を通して提供されている。

  • Windows API - CreateEvent()関数(HANDLE型オブジェクト)
  • ATL/MFC - CEventクラス
  • .NET Framework - System.Threading.AutoResetEventクラス、System.Threading.ManualResetEventクラス

脚注

  1. ^ a b イベントは、あなたがプログラムを書いているシステムで生じた動作、出来事を指します。 MDN web docs - イベントの紹介
  2. ^ Microsoft Windowsでは、ウィンドウごとに登録されるコールバック関数のことをウィンドウプロシージャ (window procedure) と呼ぶ。
  3. ^ イベントドリブン | じっくり学ぶ Java講座 [初心者向け・入門]”. 2023年7月10日閲覧。
  4. ^ Throughout the web platform events are dispatched to objects to signal an occurrence, such as network activity or user interaction. DOM Living Standard - 2.1. Introduction to "DOM Events" 2019-11-25T07:39+09:00閲覧
  5. ^ An Event object is simply named an event. DOM Living Standard - 2.2. Interface Event 2019-11-25T07:43+09:00閲覧.
  6. ^ CustomEvent インターフェイスはどんな目的のアプリケーションからも初期化されるイベントを表現します。 MDN web docs - CustomEvent
  7. ^ カーネルオブジェクト-win32 apps | Microsoft Learn”. 2023年7月10日閲覧。

関連項目


イベント・ドリブン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 01:52 UTC 版)

ヘッジファンド」の記事における「イベント・ドリブン」の解説

詳細は「イベント・ドリブン投資英語版)」を参照 イベント・ドリブン戦略をとるヘッジファンド投資機会とそのリスク何らかの事件イベント)に関連する状況着目するこのようなヘッジファンド連結買収資本再編倒産清算など会社再編関連する事件機会見出す事件前後証券評価不一致生じることを利用し証券価格動き予想してポジションを取る。ヘッジファンドのような巨大機関投資家伝統的な株式投資家よりイベント・ドリブン戦略をとる可能性が高いが、これは機関投資家のほうが会社再編分析し投資機会見出す専門知識資源有するからである。 会社再編関連する事件一般的にはディストレスト証券英語版)、リスク・アービトラージ(英語版)、スペシャル・シチュエーションズ(英語版)の3種類がある。ディストレスト証券事業再編資本再編倒産などの事件を含む。ディストレスト証券投資戦略をとるヘッジファンド倒産直面しているか厳し経営難陥った会社債券ローン投資するこのような会社債券ローン額面比べて割引率大きくヘッジファンドは安い価格利益見出そうとする。ヘッジファンドディストレスト証券購入することは銀行担保権執行阻止につながるため、会社倒産免れる可能性がある。イベント・ドリブン投資一般的には上げ相場英語版)で活躍するが、ディストレスト証券だけは下げ相場英語版)のほうが有利である。 リスク・アービトラージ(英語版)、または「合併アービトラージ」(Merger arbitrage)はM&A清算敵対的買収などを含む。リスク・アービトラージ戦略では合併する会社株式取引し株価買収価格の間の不一致利用する。この戦略リスクM&A予想通り進まないことにあり、ファンド・マネージャー研究分析事件本当に起こるかを判断する。 スペシャル・シチュエーションズとは、会社株価影響する事件。これには事業再編分社化自社株買い戻し証券発行買い戻し資産売却などを含む。スペシャル・シチュエーションズ戦略をとるファンド・マネージャー事件株価株式関連する証券価格にどう影響する見極めなければならない。 イベント・ドリブン戦略上記のほかには確定利付き証券英語版)に集中するクレジット・アービトラージ戦略株式大量に購入して経営参与するアクティビスト戦略製薬会社医薬品開発製品承認される可能性予想する戦略訴訟巻き込まれている会社集中するリーガル・キャタリスト戦略Legal catalyst)がある。

※この「イベント・ドリブン」の解説は、「ヘッジファンド」の解説の一部です。
「イベント・ドリブン」を含む「ヘッジファンド」の記事については、「ヘッジファンド」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「イベント・ドリブン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「イベント・ドリブン」の関連用語

イベント・ドリブンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



イベント・ドリブンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのイベント (プログラミング) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのヘッジファンド (改訂履歴)、イベント (プログラミング) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS