アンキロサウルス【(ラテン)Ankylosaurus】
アンキロサウルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/06 08:26 UTC 版)
アンキロサウルス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アンキロサウルスの想像図
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地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
約6,800万 - 6,600万年前 (白亜紀後期のマーストリヒチアン) |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Ankylosaurus Brown, 1908 |
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属 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アンキロサウルス (学名 Ankylosaurus) は、中生代白亜紀後期(約6,800万年前 - 6,600万年前)の現北アメリカ大陸に生息した植物食恐竜の属の一つ。鳥盤目 - 曲竜下目 -アンキロサウルス科に属する。属名は「連結したトカゲ」の意。
形態
体長は約5.5 - 10.7メートル、体重は約4.5 -7トン[1]。戦車のように体を覆う装甲と、先端に大きな骨塊のついた尾をもつ。装甲は楕円形の骨板と骨質のスパイクで構成されていた[2][1]。その装甲化はまぶたにもおよぶ。最大の武器である尾は基部が水平方向への柔軟性を持ち、先端付近は骨質の腱で補強され、そのまま先端の骨塊につながっている。これを左右にハンマーのように振り回すことにより、同時代の獣脚類のような天敵(主としてティラノサウルス)から身を守っていたと推定される。なお、装甲は皮膚(鱗)から発達したものであるが、骨質化していることから全体が化石となって残る。こうした鎧があったため、天敵がアンキロサウルスを攻撃する際には、ほぼ唯一の弱点である腹側を攻撃する必要があったものの、前述の鎧や重心の位置、数トンもの体重により、それは非常に困難だった[3][信頼性要検証]。
頭骨は幅広く、後頭部および頬に2対のスパイクを備えていた[2]。その代わりとして、双弓類の特徴である眼窩後部の側頭窓は2つとも失われているほか、前眼窩孔も無い。吻は大きく丸みを帯びているが、これは鼻道がS字型に湾曲しているためである。この大きな鼻腔の使途としては、吸い込んだ空気の加湿や濾過を行っていたとの説もある[1]。
吻端は歯が無く、角質の嘴に置き換わっていた。残った歯列もきわめて貧弱であった[2]。この歯では咀嚼ができないため、嘴で千切りとった植物を丸呑みし、体内で発酵させてから吸収していたと推定される[4]。胴体は幅が広く樽状、四肢は短いが頑丈で、前肢よりも後肢の方が長かった[2]。
装甲化
同様に体を装甲化している類として、ノドサウルスが挙げられる。しかし、ノドサウルス類の装甲が中まで密な重装甲となっているのに対し、アンキロサウルス類のそれは内部が空洞でより軽く、運動性に優れている。防御を最小限とし、むしろ尾の先のハンマーを使うことで能動的に身を守っていたと考えられている。同じアンキロサウルス科で研究が進んでいるのは、エウオプロケファルスである。このように、まだ全身骨格の少ないアンキロサウルスの推測の大部分は、別の種で行われる場合もある。
ギャラリー
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ヒトとの大きさ比較
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頭骨。眼窩以外の窓が無い。アメリカ自然史博物館蔵。
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骨格図。記載者バーナム・ブラウンによる。
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尾の先端のハンマー。アメリカ自然史博物館蔵。
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装甲板
脚注
参考文献
- 小畠郁生『面白いほどよくわかる 恐竜』日本文芸社〈学校では教えない教科書〉、2007年、72-73頁。ISBN 978-4-537-25506-5。
- ティム・ヘインズ、ポール・チェンバーズ、群馬県立自然史博物館(監修)『よみがえる恐竜・古生物』椿正晴(訳)、ソフトバンククリエイティブ、2006年、140-141頁。 ISBN 4-7973-3547-5。
- ヘーゼル・リチャードソン、ディビット・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。 ISBN 4-7875-8534-7。
関連項目
アンキロサウルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 20:28 UTC 版)
「恐竜世紀ダイナクロア」の記事における「アンキロサウルス」の解説
砂漠で行商人(キャラバン)にラクダ代わりとして使われている小型植物食恐竜。
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